OL佐藤由奈さん32_『ここは、由奈から電話してもいいと思う』

OL佐藤由奈さん編_メイキング6_エピソード27、スマホが震えたのは、ケーキを半分ほど食べ終えたころだった

前回は、デート回になります。デートが終わり、いろいろ揺れる中で、相手から連絡。由奈は引きずってる感じなので、良いことがあると良さそうだ、ということで、仕事で良いことが起こるエピソードを放り込み、自分にご褒美をあげた後「転」が起こる構成です。

佐藤由奈さん編、前回エピソード由奈のキャラクター設定

I「このエピソードのこのシーンの由奈を描いて(部屋着に着替える。鏡の前でふと口元を見る。……今日は、ちゃんと閉じてる。)」

I「次は骨格に肉付けして、デパートを出てからのエピソードを書いて。「食事と風呂を経て部屋着でケーキを食べる→ここまで恒一からなんのれんらくもなし」ここまでを。「いつものようにジョギング→風呂に入る→部屋着に着換える→夕ご飯をつくる→夕ご飯たべる→片付け、洗濯物をとりこむなど、家のことをやる→ケーキを食べる→今日の一日の味をかみしめる(仕事のうれしさ、弟たちの結婚、よだれの件など)」という感じ。ここまでで恒一からの連絡を気にする、そして連絡はない。由奈の心情描写をしっかり入れよう。」

A

デパートを出たとき、由奈はケーキの箱を持った手の重みを、少しだけ意識した。
紙袋越しに伝わるその感触は、甘さの予告というより、「今日はちゃんと頑張った」という実感そのものだった。

駅までの道を歩きながら、スマホが震えないかを、無意識に気にしている自分に気づく。
画面は静かなまま。
──まあ、そうだよね。
自分に言い聞かせるように、由奈は小さく息を吐いた。

家に着くと、いつものようにジョギング用の服に着替えた。
今日は少し長めに走る。
昼間の打ち合わせで張っていた肩や背中を、夜風が少しずつほどいてくれる。
足音と呼吸のリズムだけが頭の中に残り、仕事の場面がふっと遠ざかっていく。

シャワーを浴び、湯船に浸かると、ようやく一日が終わり始めた感じがした。
髪を乾かし、部屋着に着替える。
鏡の前でふと口元を見る。
……今日は、ちゃんと閉じてる。
そんなことで少し安心してしまう自分に、苦笑した。

夕飯は簡単なものだった。
冷蔵庫にある食材で作った、いつも通りのごはん。
それでも今日は、味がはっきりしている。
仕事で評価されたこと、先輩に「似合ってる」と言われたスーツ、弟たちの結婚の話。
全部が少しずつ、心の中で重なっていた。

食べ終えて片付けをし、洗濯物を取り込む。
ベランダから入る夜の空気は、昼よりもひんやりしていて、季節がちゃんと進んでいることを教えてくれる。

そして、ようやくケーキの箱を開けた。
フォークを入れて一口。
甘さが、ゆっくり広がる。

「……今日、いい日だったな」

口に出すと、実感が追いついてくる。
仕事の嬉しさも、自信になった感覚も、全部本物だ。
でもその一方で、よだれのことを思い出して、また一瞬だけ胸がきゅっとなる。
思い出さなくていいのに、どうしても浮かぶ。

テーブルの端に置いたスマホに、もう一度視線を向ける。
通知は、ない。

──気にしすぎ。
そう思いながらも、完全には割り切れない。
期待しているわけじゃない、と言い聞かせつつ、どこかで待っている。

ケーキを食べ終え、皿を流しに置くころには、気持ちは少し落ち着いていた。
今日は、今日でちゃんと終わりにしよう。

由奈はソファにもたれ、静かな部屋の中で、長い一日をゆっくり噛みしめた。

I「このエピソードのこのシーンの由奈を描いて(ケーキの箱を開けた。フォークを入れて一口。甘さが、ゆっくり広がる。「……今日、いい日だったな」口に出すと、実感が追いついてくる。仕事の嬉しさも、自信になった感覚も、全部本物だ。)」

I「このエピソードのこのシーンの由奈を描いて(でもその一方で、よだれのことを思い出して、また一瞬だけ胸がきゅっとなる。思い出さなくていいのに、どうしても浮かぶ。)」

I「このエピソードのこのシーンの由奈を描いて(テーブルの端に置いたスマホに、もう一度視線を向ける。 通知は、ない。)テーブルには半分くらいたべたケーキもありそうだね。前の写真でフォークにのっていたケーキは食べ終わったことにしよう」

I「次は骨格のこの部分を肉付けしてエピソードをつくって(花菜から電話→花菜に「昨日の日曜の話をする」「よだれのことは話題に出さないが由奈は意識はする」」→花菜から由奈から電話しようよと言われる)。花菜が時間帯をこの時間(月曜夜、由奈がほぼまちがいなく家にいる時間)に電話したのは、恒一と会う約束は日曜夕方だったので、男女が会うわけだからいろんなことがあるかもしれないと配慮した結果。それから由奈から何も連絡がなかったので電話した。花菜からみれば、由奈は昔から「待ち」に見えていた(がそのことを指摘したりしない)。花菜は由奈の話を聞いて、ここは背中を押すほうが良いな、と思って、由奈から電話しようよ、という感じで背中を押した」花菜とのやりとりの後の良いんとか迷いは次のエピソードに入れよう。ここは電話パート中心。由奈がよだれの件を頭に浮かぶが花菜にも言えなかった、というところも触れよう。」

A

いいね、この流れ、とても由奈らしい。
では電話パート中心で、感情の揺れと花菜の距離感が出るように書くね。


スマホが震えたのは、ケーキを半分ほど食べ終えたころだった。
テーブルの端に置いた画面に表示された名前を見て、由奈は一瞬だけ息を止める。

「……花菜だ」

この時間にかかってくる理由は、なんとなく分かっていた。

「もしもし」

『あ、由奈? 今、大丈夫?』

明るいけれど、少しだけ様子を探るような声。
由奈はソファにもたれたまま、スマホを耳に当てる。

「うん。ちょうど家。今、ケーキ食べてたところ」

『あー、月曜のご褒美ね。仕事どうだった?』

「……うん、今日はね、ちょっと頑張った。ちゃんと評価もされて」

それを口にした瞬間、胸の奥がふっと軽くなる。
花菜はすぐに声のトーンを上げた。

『え、すごいじゃん。由奈、そういうのちゃんと積み重ねてるよね』

「ありがとう……」

由奈は小さく笑ってから、花菜が次に聞いてくることを待つ。
そして、案の定だった。

『でさ、日曜どうだった?』

一瞬、喉が詰まる。
頭の中に、定食屋の光景がよぎる。
会話の間。視線。――そして、思い出したくない一瞬。

「……普通に、話したよ。コーヒー飲んで、ごはん食べて」

『ふつう、ね』

花菜はそれ以上踏み込まない。
でも、由奈の声の間をちゃんと拾っている。

「緊張したけど……悪くは、なかったと思う」

――言えない。
あの、口元のこと。
気づかれたかどうか分からない、でも自分の中では消えないあの瞬間。

『由奈さ』

花菜の声が、少しだけ柔らかくなる。

『私ね、この時間に電話したの、理由あるの』

「……うん」

『日曜夕方に会うって聞いたでしょ。で、今日まで由奈から何も来なかったからさ』

由奈は黙ったまま、スマホを持つ手を少し強く握る。

『由奈ってさ、昔から「待つ人」じゃん』

責めるでも、指摘するでもない言い方。
ただ事実を置くみたいに。

『だからね、今日はこっちから声かけようって思った』

由奈は、思わず視線を落とす。

「……うん」

『でさ』

少し間を置いて、花菜は続けた。

『ここは、由奈から電話してもいいと思う』

「……電話?」

『そう。メッセージじゃなくて』

由奈の胸が、きゅっと縮む。

「……急じゃないかな」

『急じゃないよ。むしろ自然』

花菜は即答だった。

『楽しかったなら、楽しかったって声で伝えていいと思う』

由奈は、思わず自分の口元に指を当てる。
――また、意識してる。

「……変に思われないかな」

『由奈が思ってるほど、相手は細かいとこ見てないって』

花菜は、少しだけ笑った。

『それにね。もし何か気になることがあったなら、なおさら』

由奈は、何も答えられない。

『大丈夫。由奈は、ちゃんと話せる人だよ』

その言葉が、静かに胸に落ちる。

『電話、してみな?』

由奈は、少しだけ間を置いてから、うなずいた。

「……うん」

『よし。じゃあ、私はここまで』

「ありがとう、花菜」

『うん。あとさ』

花菜は、いつもの調子で言った。

『由奈が黙り込むときって、大体ちゃんと考えてるときだからさ。悪い方じゃないよ』

通話が切れたあと、部屋は静かになった。

テーブルの上のスマホ。
半分残ったケーキ。

――よだれのことを、思い出してしまう。
言えなかった。言わなくてよかったのかもしれない。

由奈は、深く息を吸って、スマホを手に取った。

(……電話、するんだよね)

ここから先の迷いと一歩は、次の話になる。

I「OK。それでは骨格を踏まえて、エピソードを肉付けして。(由奈から恒一に電話、つながる→ぎこちないやりとり、由奈からまた来週の日曜日に先週のカフェで話したいという→少しの沈黙のあと、恒一からOKの連絡、楽しかったし、また話したいといわれる→口元が緩み由奈よだれ→あ、とは思うが認められたポジティブな気持ちが勝り、口元はぬぐうが前向き→ストレッチや家のことをしながら日常に戻る)。このパートのはじめに、電話の前の由奈のためらいや迷い、電話をしようとおもったけどやめて、また電話しようとして、みたいな感じでためらう様子を書いて。電話の後からストレッチの前にケーキの残りを食べて、ポジティブな気持ちで今日を終わらせる味を味わう時間をつくって。まだこのエピソードの時点では寝なくて、まだ明日には進まず今日のまま。」

A

いいね、このパートは由奈の一番人間くさい揺れが出るところだと思う。
では、ためらいから電話、余韻、日常へ戻るところまで、丁寧に書くね。


スマホを手に取って、由奈は一度、画面を伏せた。

(……電話、するって言ったけど)

さっき花菜に背中を押されて、勢いでうなずいたものの、実際に発信ボタンを押すとなると、指が動かない。

テーブルの上には、半分残ったケーキ。
フォークは置いたまま。

(急じゃないかな)
(忙しかったらどうしよう)
(そもそも、私から電話って……)

スマホを持ったまま立ち上がり、部屋を一周する。
キッチンに行って、意味もなく流しを見て、また戻る。

一度、ロック画面を閉じる。
……やっぱり気になる。

再び画面を開いて、連絡先を表示する。
名前を見た瞬間、胸が少しだけ跳ねる。

(……昨日は、楽しかったって言ってたし)

でも、思い出す。
定食屋でのあの一瞬。
自分の口元。
気づかれていたかもしれない、あの感覚。

(それでも……)

由奈は、深く息を吸って、もう一度スマホを耳に当てた。
今度は、ためらわずに。

発信音が、部屋に響く。

一回。
二回。

(出なかったら、それはそれで……)

三回目のコールの途中で、音が変わった。

『……もしもし』

少し低めで、落ち着いた声。

「……あ、高橋さん。夜にすみません」

自分の声が、思ったより硬い。

『いえ、大丈夫です。今、ちょうど家でした』

一瞬の沈黙。
お互い、次に何を言えばいいか探している。

「……あの、この前はありがとうございました」

『こちらこそ。楽しかったです』

その一言で、胸の奥が少しほどける。

「……それで」

由奈は、ぎゅっとスマホを握り直す。

「もしよかったら、また……話せたらなって思って」

言葉を選びながら、続ける。

「来週の日曜の夕方とか……この前の、あのカフェで」

電話口が、静かになる。

(……長い)

ほんの数秒なのに、やけに長く感じる。
由奈は無意識に唇をゆるめて、息を止める。

『……』

(やっぱり、急だったかな)

そう思いかけたとき、声が返ってきた。

『……はい』

少し間を置いてから、穏やかな声。

『また話したいと思ってました。来週、行きましょう』

由奈の胸が、ふわっと持ち上がる。

「……本当ですか」

『はい。楽しかったですし』

その瞬間だった。

気が緩んだせいか、口元がふっと力を失う。
はっとしたときには、もう遅くて。

(……あ)

由奈は慌てて口元を押さえる。

(やっちゃった……)

幸い、電話越しでは分からない。
ティッシュを取って、さっと拭う。

(……でも)

胸の中に広がっているのは、恥ずかしさよりも、あたたかい感覚だった。

「……ありがとうございます」

声は、ちゃんと落ち着いている。

『じゃあ、また連絡します』

「はい。お願いします」

通話が切れたあと、由奈はしばらくその場に立ったままだった。

それから、ゆっくりソファに座り直す。

テーブルのケーキに、もう一度フォークを入れる。
残りを一口。

甘さが、さっきよりもはっきりと感じられる。

「……今日、いい日だったな」

今度は、よだれのことを思い出しても、胸はぎゅっとならない。
気にした事実は消えないけれど、それ以上に、ちゃんと伝わった実感がある。

由奈はフォークを置いて、立ち上がった。

軽く肩を回して、背伸びをする。
テレビを消して、洗い物を済ませる。

いつもの夜。
でも、少しだけ、景色が違う。

(……ちゃんと、前に進んでる)

ストレッチをしながら、由奈はゆっくり呼吸を整えた。

今日という一日を、きちんと終わらせる。
その準備が、静かに整っていく夜だった。

I「エピソードのこの部分の由奈を描いて(スマホを持ったまま立ち上がり、部屋を一周する。キッチンに行って、意味もなく流しを見て、また戻る。)」

I「このシーンの由奈を描いて(由奈は、ぎゅっとスマホを握り直す。「もしよかったら、また……話せたらなって思って」言葉を選びながら、続ける。「来週の日曜の夕方とか……この前の、あのカフェで」)」

I「このシーンの由奈を描いて(通話が切れたあと、由奈はしばらくその場に立ったままだった。)」

I「このエピソードの由奈を描いて(それから、ゆっくりソファに座り直す。テーブルのケーキに、もう一度フォークを入れる。 残りを一口。甘さが、さっきよりもはっきりと感じられる。)」

次回:「この前は、ありがとう。ちゃんと、連絡来た。来週って」

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