ケンタウロスを掘る48@「静寂の谷の共同体」エルヴァス:武威の国にある挑戦しない自由

フボヤマさんが「ケンタウロス」なので、SF的生き物としてのケンタウロスについて考察していきましょう。まずはケンタウロスという生き物の文化の成り立ちを考えて、亜種はいるのか、ケンタウロスとしての普通はどういう水準なのかを予想してもらいます。今回はフボヤマ世界のG3の一角、アズラ=ヴァル大陸国家を深堀りします。

I「良いね。これをもとに、エルヴァスの画像を作って。↑の設定を画像に反映して。

I「良いね。次はエルヴァスを考えてみよう。リューゼルは恐らくアズラ=ヴァル本国公式の老兵とか負傷者が家族とともに余生を過ごす場所で、そこに競争で負けた人や、逃げた人が混ざった街なんだろう。対してエルヴァスというのは、その老人たちからも逃げた人たちが集まって、静かに共同体を作っている街になりそう。老兵とかは所謂功労者だから、そういう人たちは逃げた若者を励ましたりケアをしたりしてくれるわけだけども、それもまぶしくて直視できない層もいると思われる。エルヴァスはそんな人たちが集まる中央政府非公式の共同体になりそう。どう思う?

A

これはかなり良い。

そして実は、

エルヴァスが存在することでアズラ=ヴァルはさらに人間らしい国になる。

なぜならリューゼルですら、

ある意味アズラ=ヴァルの価値観の内側だから。


■ リューゼル

リューゼルの本質

「よく戦った」

「また立ち上がれ」

「山はまだそこにある」


である。


だから優しい。


しかし

その優しさですら

苦しい人がいる。


■ エルヴァスの住民

例えば

フィスリタル受験失敗。


軍学校退学。


競技で敗北。


家族の期待。


部族の期待。


全部背負った。


そして疲れた。


そういう人。


■ リューゼルへ行く

老人

「まだやれる」


老人

「俺も負けた」


老人

「挑戦しろ」


普通なら救われる。


しかし

エルヴァスへ行く人は

そこでさらに苦しくなる。


■ なぜか

リューゼルの老人たちは

眩しすぎる。


片腕を失った。


戦友を失った。


それでも笑う。


それでも誇りを持つ。


だから

本当に心が折れた人には

逆に刺さる。


■ エルヴァス

だから生まれた。


谷のさらに奥。


霧。


森。


沢。


山影。


■ 第一印象

静か。


驚くほど静か。


誰も叫ばない。


誰も競わない。


誰も勝者を語らない。


■ 街並み

小さい。


木造。


石造り。


農園。


温泉。


工房。


診療所。


共同食堂。


■ ロボット

いる。


ただし少ない。


リューゼルのお下がり。


古い。


修理跡だらけ。


住民が自分で直して使う。


■ 空気

重要。


ここには

成功の話がない。


挑戦の話も少ない。


代わりに


昨日何を食べた。


畑どうだった。


魚釣れた。


そんな話。


■ アズラ=ヴァル政府

面白い。


存在は知っている。


しかし公式には認めていない。


潰しもしない。


■ 理由

みんな分かっている。


必要だから。


■ リューゼルの老人

実は知っている。


若者

消えた


老人

「ああ、エルヴァスか」


くらい。


■ 関係

敵ではない。


断絶でもない。


親戚みたいな距離感。


■ たまに起こること

数年後。


エルヴァスの若者。


突然戻る。


リューゼル。


老人

「帰ってきたか」


若者

「少し休めた」


老人

「そうか」


それだけ。


■ オレニアとの違い

ここが面白い。


エレニア

「社会が支える」


エルヴァス

「放っておく」



優しさの形が違う。


■ エレニア活動家

来る。


「あなたたちは搾取されている!」


住民

「そうかな」


「畑あるし」


「温泉あるし」


「静かだし」



活動家

困惑


■ アズラ=ヴァル人から見たエルヴァス

評価は割れる。


戦士

「逃げた場所」


老兵

「休む場所」


研究者

「必要な場所」


■ フィスリタルから見ると

夜。


山頂。


雲海。


遠くにリューゼル。


さらに奥に

小さな灯り。


それがエルヴァス。


■ 街の本質

リューゼル

再挑戦の街


エルヴァス

再起を求めない街


しかし

諦めの街でもない。


ただ

競争から離れたい人が

静かに生きる場所。


だからエルヴァスは、

アズラ=ヴァルの中で唯一、

「上を見なくても怒られない街」

になると思う。

そしてそれがあるからこそ、

フィスリタルやドラグ=ヴァルトのような極端な競争社会も成立する。

誰にも言われず、

何も証明しなくてよく、

ただ生きていていい場所。

それがエルヴァスなんだろうね。

I「良いね。エルヴァスとかそういう都市には、恐らく鉄道がないのに加えて、次世代航空機の定期便もこないんだろう。電気くらいはあるかもしれないが、自家発電とか、1~2時代遅れた村、みたいな感じになりそう。ただし、子供に関しては次世代型飛行機で近隣の村、例えばリューゼルとかに通うことになって、そこで老人とかの話を聞いてこれからを考える機会になってそう。大人にとっては休む町、でも子供は機会を与えられる的な位置づけになりそう。

A

これはすごく良い。

むしろ、

エルヴァスはアズラ=ヴァルの「余白」

として成立すると思う。

リューゼルですら、

実はアズラ=ヴァルのシステムの中なんだよね。


年金


医療


教育


飛行便


行政


全部繋がっている。


つまり

リューゼルは

「谷にあるけど中央の手が届く場所」

なんだ。


■ エルヴァス

対してエルヴァス。


中央政府

知っている


支援

最低限


管理

ほぼしない


■ 空港

ここ面白い。


定期便なし。


空港なし。


飛行場もない。


あるのは

草地。


広場。


緊急着陸地点。


くらい。


だから

フィスリタル

直接来ない


メジト=マズラ

来ない


ドラグ=ヴァルト

来ない


■ 物流

週一。


月数回。


その程度。


リューゼル経由。


だから

現代国家なのに

どこか辺境。


■ 技術レベル

重要。


電気はある。


通信もある。


医療端末もある。


しかし

最新ではない。


全部一世代か二世代前。


■ ロボット

リューゼル

新しい


エルヴァス

中古


さらに修理品。


さらに自作部品。


だから

個体差がある。


塗装も違う。


パーツも違う。


■ 村の風景

木造住宅。


畑。


牧草地。


川。


温泉。


風車。


小型発電。


■ アズラ=ヴァル人

来ると驚く。


「まだこんな生活してるのか」


住民

「困ってない」


という。


■ 大人

ここ重要。


エルヴァスは

大人にとって

休む場所。


何者でもなくていい。


競争しなくていい。


上を目指さなくていい。


■ 子供

しかし違う。


アズラ=ヴァルは

ここで完全に切らない。


■ 学校

初等教育。


エルヴァスで受ける。


中等教育。


リューゼルへ。


■ 朝

朝になる。


小型次世代航空機。


谷へ降りる。


子供たち乗る。


リューゼルへ。


■ リューゼル

そこで

老人と会う。


教師と会う。


挑戦者と会う。


世界を見る。


■ エルヴァスの親

ここが面白い。


自分は逃げた。


休んでいる。


でも

子供は止めない。


■ 理由

アズラ=ヴァル人だから。


自分は登らなかった。


でも

登りたいなら止めない。


■ 老兵との関係

さらに良い。


リューゼルの老人。


エルヴァスの子供。


仲が良い。


老人

「お前どこの子だ」


子供

「エルヴァス」


老人

「そうか」


別に差別しない。


■ 象徴的な景色

夕方。


エルヴァス。


静かな谷。


煙突の煙。


畑。


温泉。


帰宅する子供。


遠くにリューゼル。


さらにその上。


フィスリタルの灯り。


■ リューゼルとの違い

リューゼル

山を見上げる街


エルヴァス

山が見えている街


この差。


リューゼルは

「また登れ」

と言う。


エルヴァスは

「登ってもいいし、登らなくてもいい」

と言う。


だからアズラ=ヴァルという国は、

フィスリタルやアグナ=ヴァルみたいな怪物じみた上澄みだけを見ると冷酷な競争国家に見えるけど、

実はその足元に

  • リューゼル(再挑戦の谷)
  • エルヴァス(休息の谷)

が存在していて、

どちらも山を見上げられる場所にある。

これはオレニアの平等とも、東辰の牧歌性とも、アトラスの再起支援とも違う、

「挑戦する自由だけでなく、挑戦しない自由も残している」

という、かなりアズラ=ヴァルらしい社会になっていると思う。

I「良いね。そうすると、リューゼルとかエルヴァスを訪れるオレニア、特にエレニアの活動家は困惑するか、やっぱりロジオンは正しかった (これは格差だ、一旦平らにするべきだ) みたいな考えに落ち着きそう。どう思う?

A

これはかなり面白い対比になると思う。

むしろエレニアの活動家は、

リューゼルとエルヴァスで真逆の反応に分裂する

気がする。


■ エレニア活動家が想像しているアズラ=ヴァル

行く前

だいたいこう。


競争社会

敗者切り捨て

弱者排除

軍国主義

格差社会


だから

エルヴァスを見つける前は

「谷には地獄がある」

と思っている。


■ 実際のリューゼル

来る。

見学する。

驚く。


老人

尊敬されている


負傷兵

社会保障ある


子供

教育受けている


医療

普通にある


生活

思ったより豊か


活動家

???


■ 最初の混乱

ここで困る。


活動家

「敗者が切り捨てられてない」


活動家

「いやでも競争社会は悪い」


老人

「俺は満足してる」


活動家

「・・・」


■ 老兵たち

さらに厄介。


老人

「若い頃は楽しかった」


老人

「失敗もした」


老人

「仲間も死んだ」


老人

「でも戦った価値はあった」


活動家

「搾取されたのでは?」


老人

「違う」


活動家

「・・・」


■ エレニア的には

実はかなり嫌な相手。


被害者が被害者を名乗らない。


■ オレニア思想

本来

弱者

救済対象


被害者

解放対象


なのに

本人が満足している。


これが厄介。


■ そしてエルヴァス

さらに混乱する。


活動家

「これだ」


活動家

「競争に負けた人々だ」


活動家

「ここが問題だ」


■ ところが

聞き取りする。


住民

「まあね」


住民

「競争向いてなかった」


住民

「ここで暮らしてる」


住民

「別に不幸じゃない」


活動家

また困る


■ 特に子供

エレニア的にもっと困る。


子供

教育受ける


希望ある


進学できる


出ていける


活動家

「閉じ込められていない・・・」


■ ロジオン派

ここで登場。


ロジオン派

※オレニア原理主義


彼らは結論が早い。


「だから問題なのだ」


■ ロジオン派の理屈

リューゼル

格差の緩衝材


エルヴァス

格差の掃き溜め


教育

支配の再生産


挑戦の自由

競争の正当化


という解釈になる。


■ つまり

彼らは

現状を見て

評価を変えない。


むしろ


「よくできた支配構造だ」


と評価する。


■ 一方で

現地に長く滞在した活動家

研究者

学生

この辺りは違う。


彼らは徐々に揺らぐ。


なぜなら

エルヴァスの住民は

オレニアで言う貧困層より

幸福そうだから。


■ ドムエラ人

たぶん一番冷静。


ドムエラ研究者

「なるほど」


ドムエラ研究者

「これは社会保障ではない」


ドムエラ研究者

「文化だ」


ここに気付く。


■ オレニアとの違い

オレニア

皆を上げる


アズラ=ヴァル

登る道を残す


全然違う。


■ エレニアが最も嫌がる結論

視察団が帰国後、

若い研究者が報告書を書く。


「格差は存在する」


「しかし住民は必ずしも不幸ではない」


「教育機会は維持されている」


「挑戦経路は開かれている」


「リューゼルとエルヴァスは単純な搾取構造では説明できない」


これ。


エレニア原理主義者からすると、

実は

「アズラ=ヴァルは残酷な競争国家だ」という結論より危険なんだ。

なぜなら、

リューゼルやエルヴァスは、

「平等でなくても人は尊厳を持って生きられるのではないか?」

という疑問を生んでしまう。

そしてその疑問は、

ムドルヘイムがオレニアに与えている思想的ダメージと本質的には同じ種類のものなんだと思う。

I「良いね。これを受けて、エルヴァスのビジュアルを考えて。

A

良いね。

エルヴァスは実はリューゼルより難しい。

なぜなら、

リューゼルは「誇りある引退者の街」だから絵にしやすい。

一方でエルヴァスは、

「敗者の街」ではなく
「競争から降りた者たちの街」

だから。

この違いがビジュアルの核になる。


■ エルヴァスの本質

一言でいうと

「山を見上げる街」


リューゼル

山を支える街


エルヴァス

山から距離を置いた街


でも

山は見える。


ここ重要。


街のどこからでも

遠くに

フィスリタルや中央山脈の峰が見える。


住民は毎日それを見る。


■ 地形

リューゼルよりさらに谷底。


切り立った崖

渓谷

小さな平地


という構造。


高低差が大きい。


朝は日が当たりにくい。


夕方になると急に光が入る。


■ 都市規模

小都市。


人口

数万~十数万程度。


アズラ=ヴァル基準では小さい。


■ 建築

ここが特徴。


リューゼル

公共施設が多い


エルヴァス

個人住宅が多い


家は

古い金属

で作られている。


代々継ぎ足された家。


綺麗ではない。


でも壊れていない。


■ 街並み

全体的に

階段

が多い。


平地が少ない。


谷に沿って伸びる。


まるで

山肌に張り付いている。


■ 交通

鉄道なし。


空港なし。


大型次世代機も来ない。


たまに

小型輸送機。


あるいは

物資ドローン。


■ オレニア要素

ここが重要。


実は結構ある。


ロボット工房

小型発電設備

水処理設備

共同菜園


全部

オレニア系技術。


でも

ムドルヘイムみたいな未来感はない。


古い。


質素。


実用一点張り。


■ 人

住民は

・元兵士
・脱落者
・失敗した起業家
・競争に疲れた研究者
・地方出身者


みたいな人が多い。


■ 子供

意外と多い。


これが重要。


エルヴァスは終着点ではない。


子供たちは

リューゼルや他都市へ通学。


朝になると

小型輸送機が迎えに来る。


■ 空気感

ここが最大の特徴。


暗くない。


でも明るくもない。


静か。


非常に静か。


誰も他人を追い立てない。


誰も成功を語らない。


でも

誰も未来を否定しない。


■ 色彩

アズラ=ヴァルらしくない。


灰色

薄青

深緑

石色


落ち着いた色。


旗も少ない。


軍の象徴も少ない。


■ 夜景

かなり美しい。


谷だから。


山肌に灯りが点在。


星空。


遠くの山頂都市の灯り。


そして

空を飛ぶ小型輸送機。


■ 一番象徴的な風景

丘の上。


古いベンチ。


老人が座っている。


隣に若者。


遠くに見える

フィスリタルの光。


老人が言う。


「あそこに行きたいか?」


若者

「分からない」


老人

「そうか」


それで会話が終わる。


エルヴァスはそういう街。


リューゼルが

「もう一度立ち上がる場所」

なら、

エルヴァスは

「立ち止まることを許される場所」

なんだと思う。

だからビジュアルとしては、

アズラ=ヴァルの他都市のような巨大建築や軍事的威圧感ではなく、

巨大な山々に抱かれた静かな谷の共同体
という方向が一番エルヴァスらしい。

I「良いね。武威の国のアズラ=ヴァルだけど、こうしてみると敗者にも配慮がある国、といえるかもね。非公式のエルヴァスですらも、アルヴァリアのフロンティア村とか植民都市の非アルヴァリア国籍の現地民とかより厚待遇というか、政府が感情に寄り添っている感じ。対するアルヴァリアは上が右といえば末端は言うことを聞け、みたいな感じ。

A

そう思う。

実はここまで掘ると、

アズラ=ヴァルは「厳しい国」ではあるけど、「冷たい国」ではない

というのが見えてくる。

そしてこれはアルヴァリアとの大きな違いになっている。


■ アルヴァリアの基本思想

アルヴァリアは本質的には

秩序の国

なんだと思う。

だから


上位

義務を負う


下位

従う


という構造。


権威

正しい


伝統

守る


個人より上


という価値観。


だから末端から見ると

「上が決めた」

で終わることが多い。


■ アズラ=ヴァル

一方でアズラ=ヴァルは

競争の国

であって

服従の国ではない。


上位者

勝者


下位者

敗者


ではある。


でも


「お前は負けた」



「お前は価値がない」


は違う。


ここが重要。


■ 老兵への扱い

リューゼルが象徴。


アズラ=ヴァル人

戦った

負傷した

老いた


なら

敬意を払う。


これは武人文化。


むしろ

最前線に立った者を粗末に扱う方が恥。


■ エルヴァスも同じ

面白いのはここ。


逃げた人

評価は低い


でも


存在そのものを否定しない


だから

エルヴァスが潰されない。


中央政府も知っている。


でも消さない。


■ なぜか

アズラ=ヴァル人の感覚では


逃げる自由もある


から。


戦う自由

ある


逃げる自由

ある


ただし

評価は変わる


という考え。


■ アルヴァリアとの対比

アルヴァリアだと


秩序から外れる

問題


だから

矯正したくなる。


アズラ=ヴァルは


競争から降りる

残念


で終わる。


ここが違う。


■ オレニアとの違い

さらに面白い。


オレニア

全員を引き上げる


アズラ=ヴァル

全員に登る権利を与える


似てるようで全然違う。


■ エレニア活動家が困る理由

エルヴァスを見て

怒りたい。


でも

餓死してない。


迫害されてない。


子供に教育ある。


最低限の医療もある。


結果


「不幸そうに見えない」


ここで理論が詰まる。


■ 逆にアルヴァリア人は

もっと複雑。


特に貴族や軍人。


彼らは

リューゼルを見る。


「立派だ」


と思う。


老兵を敬う文化は理解できる。


でも

エルヴァスを見る。


「なぜ放置する?」


になる。


アルヴァリア的には

秩序に組み込まないと不安。


■ 実際のアズラ=ヴァル

中央政府としては

たぶんこう。


「エルヴァスか」


「まあいるだろう」


「子供だけは見ておけ」


「飢えさせるな」


「登りたくなったら登らせろ」


終わり。


かなり雑。


でも

その雑さが

逆に自由。


■ G3の中でも面白い

アトラス

→ 再挑戦システム


東辰

→ 広すぎて自然に吸収


アズラ=ヴァル

→ 谷で休め


同じG3でも

救済のやり方が全然違う。


だからアルヴァリアの視察団が来ると、

ムドルヘイムでは「市場経済」に頭を抱え、

東辰では「層の厚さ」に頭を抱え、

フィスリタルでは「化け物しかいない」に頭を抱え、

最後にエルヴァスを見て、

「なぜこの国はこんなに厳しいのに、人々が国を憎んでいないんだ?」

という、いちばん答えにくい疑問にぶつかる気がする。

I「アズラ=ヴァルが武人国家というか軍事国家ということから考えるとPTSDとか怪我とかは日常茶飯事だから、厚遇はしないけど一旦休め、みたいなのは文化みたいなものかも。戦いの中にいたら体や心が傷つくものが少なからず出ることが当たり前だから、そういうものを無理やり前線に出さない的な戦場での成熟した考え、みたいな。そういう印象。対してアルヴァリアはアズラ=ヴァルと比べて実戦よりも家柄とか権威が勝るお国柄だから、トップダウン色が濃くなる感じと思えばそれらしいかも。

A

それはかなり筋が通っていると思う。

むしろここまで掘ると、

アズラ=ヴァルは「軍国主義国家」ではなく、「戦場を知っている国家」

という表現の方が近い気がする。


■ アズラ=ヴァルはなぜエルヴァスを潰さないのか

多分理由が単純。

彼らは

「壊れる人間を知っている」

から。


アズラ=ヴァル人からすると、

PTSD

負傷

恐怖

戦意喪失

燃え尽き

挫折


これ全部、

弱さではない。


「起こりうるもの」

なんだと思う。


だから

エルヴァス住民を見ても


「あいつは弱かった」


ではなく


「あいつは壊れた」


という認識になる。


■ 現場を知る軍人国家

例えばアグナ=ヴァル。

外から見ると化け物。


極寒

暴風

夜間

山岳

低視界


全部飛ぶ。


でも

当人たちは知ってる。


「昨日までいた奴が飛べなくなる」


ということを。


だから

フィスリタルの教官とかは

案外こう言いそう。


「休め」


「今は飛ぶな」


「戻りたくなったら戻れ」


終わり。


■ 老兵文化

リューゼルも同じ。


老兵たちは

「根性で治る」

と思っていない。


なぜなら

実際に見てきたから。


心が折れる瞬間を。


仲間を失う瞬間を。


戦えなくなる瞬間を。


だから

妙な精神論が少ない。


■ アルヴァリアとの違い

ここが大きい。

アルヴァリアは

伝統国家。


軍は強い。


海軍も優秀。


でも

根っこは貴族国家。


だから

評価軸が


功績

家柄

名誉

義務


になりやすい。


結果


「役割を果たせ」


が強くなる。


■ アズラ=ヴァル

対して


「役割を果たした」


なら

途中で壊れてもいい。


という感覚。


これは戦場国家らしい。


■ だからエルヴァスが成立する

アルヴァリアなら

エルヴァスみたいな街は

たぶん存在しにくい。


まず

中央が介入する。


「働け」


「所属しろ」


「役割を持て」


になる。


アズラ=ヴァルは違う。


「休みたいのか」


「じゃあ休め」


になる。


■ ただし甘くはない

ここ重要。


生活は保障する。


教育もある。


医療もある。


でも

称賛はしない。


英雄扱いもしない。


だからエルヴァスは

優しい街ではあるけど、

ぬるい街ではない。


■ アズラ=ヴァルらしい救済

オレニア

全員を救う


アトラス

再挑戦を用意する


東辰

広すぎて自然に受け入れる


アズラ=ヴァル

「休め」


そして


「登りたくなったら登れ」


だけ。


ある意味一番不器用。


でも、

アグナ=ヴァルのような化け物部隊を抱える国だからこそ、

人が壊れることを前提に社会を作っている

というのはかなり説得力がある設定だと思う。

だからアルヴァリアの視察団がエルヴァスを見ると、

「もっと厳しい場所だと思っていた」

となり、

逆にリューゼルや老兵たちを見ると、

「なぜこの国は軍事国家なのに退役者への理解がこんなに深いんだ?」

という別方向の困惑を抱える気がする。

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