フボヤマさん編_メイキング3_エピソード5、ロエロのその後
フボヤマさんのいる世界をさらに膨らませていきましょう。前回は、大衆の暴走とそれを止めるフボヤマさんのお話をかきました。今回は、大衆に叩かれたロエロさんのその後のお話。これまでのエピソードの、点と点がつながるお話です。フボヤマさん編、前回
I「これまでのエピソードを読み返して、ルシウスの異名は「芝目を読む者」、「そして前は、どんなに無愛想でも、 芝だけは気にしてた」というベテランスタッフの言葉、この二人をくっつけると面白そうだ。ゴルフ場の仕事に復職したロエロをルシウスがキャディーとして採用するエピソードを書いて。ルシウスも最初はあるいみ同情であったり、フボヤマのチャリティへのお返しもかねてそれとなくロエロと接触してみた。その時、トッププロの一人のルシウスだからこそわかる確かな嗅覚で、ルシウスはロエロの才覚と努力に気付く。ルシウスくらいにしか気づかないような、ほんの些細なところ。ルシウスは確信をもって、ロエロをスカウトする。ロエロはフボヤマとの恩義を感じ、葛藤するが、ルシウスがその場でフボヤマに直接電話をしてロエロはフボヤマと会話する。そしてフボヤマがロエロの背中を押す。こうしてロエロは、ルシウスのキャディとしてではあるが、この世界のゴルフのプロの世界に入ることになる。これを文章にうまくまとめて。」
A「いい着眼点だね。「芝を見る者」と「芝だけは見ていた者」が出会う必然として、とても美しい流れになる。では、静かで前向きな再生のエピソードとしてまとめるね。」
芝目を読む者と、芝から目を離さなかった者
ロエロがゴルフ場に戻ったのは、
大きな拍手も、歓迎の言葉もない、ごく普通の朝だった。
以前と同じ作業着。
同じ倉庫。
同じ芝。
違うのは、
「ここにいていい」と明確に許されたことだけだった。
ロエロは多くを語らず、
以前よりも黙々と仕事をした。
ベテランスタッフの言葉通りだった。
「どんなに無愛想でも、
あいつは芝だけは見てた」
ロエロは、
芝の色の変化、
水の溜まり方、
踏まれたあとの戻り――
誰にも言われず、毎日それを記録していた。
それは評価のためではない。
癖のようなものだった。
ルシウスの来訪
そのゴルフ場に、
ある日、ひとりのエルフが現れた。
ルシウス・シルヴァリオン。
視察でも、
大会でもない。
表向きの理由は、
「フボヤマのチャリティへの礼」
そして
「次戦に向けた環境確認」。
だが実際は、
もっと曖昧で、もっと人間的な理由だった。
(あのとき、
彼が守ろうとしたものの続きを、
少しだけ見てみたい)
ルシウスが気づいた“違和感”
ルシウスは、
誰にも気づかれないようにコースを歩いた。
-
フェアウェイの一部だけ転がりが違う
-
朝露の残り方が不自然
-
グリーンの縁に、わずかな修復跡
それらは、
プロの選手でも見逃す程度の差だった。
だがルシウスは、立ち止まった。
(……ここ、
誰が直した)
案内役のスタッフが答えた。
「ああ、
ロエロっていうケンタウロスです」
その名前を聞いた瞬間、
ルシウスは確信した。
(芝目を“整える側”の感覚だ)
接触
ルシウスは、
作業の合間のロエロに声をかけた。
「君が、
このグリーンを?」
ロエロは一瞬、身構えたが、
静かに頷いた。
「転がりが、
午後になるとズレます」
「日照の角度で、
水分が残る場所が違う」
それだけ言って、
それ以上語らなかった。
だがルシウスは、
その一言で十分だった。
(この男は、
芝を“覚えている”)
スカウト
数日後、
ルシウスはロエロを呼び止めた。
「君に、
提案がある」
「私のキャディにならないか」
ロエロは、
言葉を失った。
プロの世界。
しかも、
フボヤマと並び称される存在の隣。
だが、
真っ先に浮かんだのは、
フボヤマの顔だった。
「……俺は、
あの人に救われた」
「裏切るみたいで……」
ルシウスの行動
ルシウスは、
迷わなかった。
その場で端末を取り出し、
フボヤマに繋いだ。
「今、
君が助けた男と一緒にいる」
「彼を、
私が連れて行きたい」
フボヤマの言葉
少しの沈黙のあと、
フボヤマはこう言った。
「ロエロ」
「君は、
俺の後ろに立つ必要はない」
「君が見てきた芝を、
今度は前に持っていけ」
「それが、
俺への礼になる」
ロエロは、
声が出なかった。
ただ、
深く頭を下げた。
新しい立場
こうしてロエロは、
-
選手ではない
-
スターでもない
だが確かに、
世界最高峰のゴルフの現場に立つことになった。
ルシウスのキャディとして。
ルシウスは言った。
「私は、
芝目を読む」
「君は、
芝が“どう生きてきたか”を知っている」
「それが、
私には必要だ」
そして、最初の大会
観客席の片隅で、
フボヤマはその姿を見ていた。
プレーの合間、
ルシウスがわずかに頷く。
ロエロは、
初めて自分の判断が
プロの一打に影響する瞬間を知った。
そのとき、
ロエロはもう、
誰かと自分を比べていなかった。
エピローグ
後に語られる。
「芝目を読む者の隣に、
芝を見続けた者がいた」
それは、
派手な逆転劇ではない。
だが確かに――
ゴルフが人を救った物語だった。
この言葉は、
内部の報告として
協会関係者に伝わる
I「これまでの設定を元に、ロエロを描いて。ルシウスのキャディになった後の姿で。」
I「ロエロがルシウスのキャディになった年、ルシウスが世界ランキング1位となった。2位がフボヤマで僅差、数年間1位にフボヤマが君臨していたが、この年はルシウスが勝った。「芝目を読む者(ルシウス)の隣に、芝を見続けた者(ロエロ)がいた」。ルシウスが1位を獲得するにあたって、大型大会でロエロが芝目を読む瞬間があり、それがルシウスを勝利に導いた。これを踏まえて、ロエロがルシウスの勝利に貢献したエピソードを書いて。」
A「了解。では、「芝目を読む者」と「芝を見続けた者」が、はじめて“同じ一打”に辿り着いた瞬間として描くね。」
芝目を読む者の隣に、芝を見続けた者がいた
その年、
ワールド・グランドツアーの空気は、
いつもと少しだけ違っていた。
フボヤマが数年間、
揺るぎなく世界ランキング1位に立ち続けてきた時代。
誰もがそれを「当然」だと思っていた。
だが、その年の終盤、
静かに名前が迫ってきていた。
ルシウス・シルヴァリオン。
そして、
彼の隣には、
これまで誰も注目してこなかった存在がいた。
ロエロ。
元・ゴルフ場整備スタッフ。
今は、ルシウスのキャディ。
勝負の舞台
舞台は、
WGT四大大会のひとつ
《グランド・エルディア選手権》。
-
世界ランキング上位が総出
-
フボヤマも当然、最終組
-
年間1位争いの行方を決める大会
最終日、
18番ホールを前にした時点でのスコアは、こうだった。
-
ルシウス:−15
-
フボヤマ:−15
完全な並び。
誰もが思っていた。
「最後は、フボヤマの安定感が勝つ」
問題のホール
18番は、
一見すると単純なPar4。
だがこの日は、
-
前夜の霧
-
午前中の弱い雨
-
午後の強い日差し
それらが重なり、
グリーンの半分だけ性質が変わっていた。
ルシウスは、
グリーンを見つめながら立ち止まった。
(読めない)
芝目は、
いつも通り“読める”はずだった。
だが、
感覚が一致しない。
ロエロの沈黙
ロエロは、
いつもより長く、グリーンの縁を見ていた。
しゃがみ込み、
芝を指で撫で、
靴跡を確かめる。
ルシウスは、
何も聞かなかった。
それが、
二人の間の約束だった。
ロエロが見ていたもの
ロエロは、
芝目そのものではなく、
**「芝が今日どう過ごしてきたか」**を見ていた。
-
朝、霧が溜まった低い場所
-
午後、影になり続けた一角
-
観客の動線で踏まれなかった帯状の部分
ロエロは、
初めて口を開いた。
「……右です」
「でも、
普段の右じゃない」
それだけだった。
ルシウスの決断
ルシウスは、
迷いなく頷いた。
「強くは、
切れないな?」
ロエロは、
一瞬だけ考え、答えた。
「芝が、
まだ戻りきってない」
それは、
理論では説明できない判断だった。
だが、
ルシウスにはわかった。
(これは、
“読む”話じゃない)
(“知っている”話だ)
一打
ルシウスは、
ラインを半分だけ外し、
ほんのわずかに弱めに打った。
ボールは、
-
最初、左へ出た
-
途中で、わずかに戻り
-
最後、カップの縁で一瞬止まり
そして、落ちた。
会場が、
一拍遅れてどよめいた。
フボヤマのパット
直後、
フボヤマも沈めた。
だが、
ルシウスの方が
ほんの一打だけ早かった。
その一打が、
大会の優勝を決め、
そして――
年間ランキングをも決定づけた。
結果
-
世界ランキング1位:ルシウス・シルヴァリオン
-
2位:フボヤマ(僅差)
数年間続いた時代が、
静かに切り替わった。
表彰式のあと
記者が、
ルシウスに尋ねた。
「今年、
何が一番変わりましたか?」
ルシウスは、
少し考えてから答えた。
「隣に、
芝を見続けた者がいた」
「私は芝目を読む。
だが、
彼は芝が“生きてきた時間”を知っている」
フボヤマの言葉
別の場所で、
フボヤマはこう語っている。
「あの一打は、
俺でも読めなかった」
「でも、
ゴルフはそういうものだ」
「正しい人が、
正しい場所に立っていた」
ロエロは、何を思ったか
ロエロは、
表彰台には立たない。
拍手も、
歓声も、
自分には向かない。
だがその夜、
一人で芝生を見ながら、
初めてこう思った。
(俺は、
ここにいていい)
そして語られる言葉
後に、
この年のゴルフ界は
こう総括される。
「芝目を読む者の隣に、
芝を見続けた者がいた年」
それは、
ランキング以上に、
多くの人の記憶に残る物語だった。
I「このエピソードのルシウスの一打が入る場面を描いて。ルシウス、ロエロ、フボヤマを入れて。フボヤマ拍手、ギャラリー大歓声、会場は熱狂。WGT四大大会のひとつ《グランド・エルディア選手権》にふさわしい、大観衆の前で。」
今回は、そういえばとIが記憶を手繰ってAが作った設定見返してたら、重要人物のルシウスとロエロに接点ができそうだなとピンときたので、そういうエピソードつくってと骨格をぶん投げました。フボヤマがルシウスの国に支援を行ったこと、ライバルとしてのルシウスの設定がしっかり繋がりました。そしてロエロにも救いがあるという、なんだかんだでめちゃくちゃきれいに伏線を回収できました笑。えっと、いろいろノープランで丸投げ状態でやっているつもりなのに、出来上がってくるもののレベルが想像以上に高く、Iとしては驚きを隠せません。内心I自身がエピソード読んでて感動したのですが笑。フボヤマさん、ここまで終始株を下げず、上げる笑。更にその先、後日談も作りましたよ。フボヤマさん編、次回
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