フボヤマさん編_メイキング3_エピソード6、ロエロ編エピローグ
フボヤマさんのいる世界をさらに膨らませていきましょう。前回は、元問題職員ロエロとルシウスが芝でつながったお話。今回は、ロエロに絡むお話のエピローグです。フボヤマさん編、前回
I「ロエロのこの活躍が認められ、かつての勤務先のゴルフ場で開催されるチャリティイベントに、ロエロが選手として出場するエピソードを書いて。もちろん、ロエロ自身はルシウスのキャディのまま。チャリティの主催者はフボヤマ。ルシウス、フボヤマ、ロエロの三人でラウンドする回。このようになったのは、ルシウスとフボヤマの影響。トッププロがたくさんでる大会(そもそもフボヤマとルシウスの1位と2位が出ているわけだが)なので、ロエロのスコアは、そりゃプロに勝てるわけはないよね、といった感じ。かつての同僚を前に、かつての職場でラウンドするロエロ。そのエピソードを書いてみて。」
A「いい締めだね。これは勝敗の物語じゃなく、「戻る場所が変わった」物語として書こう。」
芝の上に、もう一度立つ日
そのチャリティイベントは、
東辰連邦の郊外、
ロエロがかつて働いていたゴルフ場で開催された。
派手な大会ではない。
だが主催者の名前だけで、人が集まった。
フボヤマ。
そして出場者名簿の先頭には、
当然のようにこう並んでいる。
-
ルシウス・シルヴァリオン(世界ランキング1位)
-
フボヤマ(同2位)
その下に、
小さく、しかし確かに記されていた名前があった。
ロエロ。
肩書きは「招待選手」。
本業は、今もルシウスのキャディだ。
最終組の発表
当日の朝、
組み合わせが掲示されたとき、
周囲が一瞬、ざわついた。
フボヤマ/ルシウス/ロエロ
誰かの冗談ではない。
誰かの思いつきでもない。
これは、
フボヤマとルシウスが“そう決めた”組だった。
スタートホール
ロエロは、
久しぶりにプレーヤーとして
このコースに立った。
フェアウェイの幅。
ラフの深さ。
風の抜け方。
すべて、
体が覚えている。
だが同時に、
はっきりとわかっていた。
(俺は、
もうここを“整える側”じゃない)
(そして、
彼らと同じ世界で戦えるわけでもない)
現実のスコア
ロエロのゴルフは、
誠実だった。
-
大叩きはしない
-
だが、バーディは遠い
-
パーを拾い、
ボギーを受け入れる
一方、
-
フボヤマは安定してスコアをまとめ
-
ルシウスは静かに伸ばしていく
観客は理解していた。
「今日は、
ロエロが勝つ日じゃない」
それでよかった。
すれ違う視線
途中、
ロエロはグリーン脇で、
かつての同僚と目が合った。
-
倉庫で一緒に作業した者
-
休憩室で言葉を交わさなかった者
-
噂の中で、距離を取った者
誰も声をかけない。
だが、
視線だけが、以前と違っていた。
フボヤマの何気ない一言
10番ホールを終えたあたりで、
フボヤマが、
ごく自然に言った。
「このコース、
グリーンが素直だな」
ロエロは反射的に答えた。
「……午後になると、
奥だけ少し重くなります」
フボヤマは笑った。
「知ってる人の言葉は、
信じやすい」
それだけだった。
だが、
ロエロの胸に、
確かに残った。
ルシウスの沈黙
この日、
ルシウスはロエロに
技術的な助言を一切しなかった。
キャディでもない。
師でもない。
ただ、
同じ組の一人として歩いた。
それが、
何よりの配慮だった。
最終ホール
18番、
ロエロのボールはグリーン手前で止まった。
寄せればパー。
ミスすればボギー。
ロエロは、
芝を見た。
読むためではない。
確かめるために。
(変わってないな)
そう思えたことが、
少し嬉しかった。
結果は、
無難なパー。
トータルスコアは、
プロたちから見れば
平凡な数字だった。
拍手の意味
だが、
グリーンを離れるとき、
拍手が起きた。
歓声ではない。
熱狂でもない。
長く、静かな拍手。
ロエロは、
初めて理解した。
(これは、
スコアへの拍手じゃない)
ラウンド後
控え室で、
フボヤマが言った。
「今日は、
いいチャリティだった」
ルシウスも頷く。
「このコースは、
人を戻してくれる」
ロエロは、
何も言えなかった。
言葉にすると、
壊れてしまいそうだったから。
ロエロの立ち位置
この日を境に、
ロエロは“元問題職員”ではなくなった。
-
ルシウスのキャディ
-
世界1位の隣に立つ者
-
そして、
芝を知る招待選手
もう、
戻りたい過去はなかった。
エピローグ
後日、
同じゴルフ場で働く若いスタッフが言った。
「ロエロさん、
プロになったんですか?」
ロエロは、
少し考えてから答えた。
「いや」
「ただ、
芝のそばにいるだけだ」
それで十分だった。
この世界では、
すべての人が
頂点に立つわけじゃない。
だが――
正しい場所に戻ることはできる。
ロエロは、
その証明になった。
I「このエピソードの中のフボヤマ、ルシウス、ロエロの三人でラウンドするところを描いて。」
I ((心の声))
ロエロというキャラとつくってみて、なんかいいキャラになったなと思ってこのエピソードの骨格をAにぶんなげてみました。本当にきれいにつなげてくれて凄いなと思います。Iのほうは骨格をぶん投げるだけしかしてません笑。最も、ケンタウロスがゴルフをする話なので、ある程度人間のIが話をつくる必要があると思うのですが。次はロエロ編を別角度から締め、フボヤマさんはゴルファーらしくワールドツアーに向かってもらいます。フボヤマさん編、次回
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