OL佐藤由奈さん編_メイキング4_エピソード13、由奈の恋愛へ
前回は、弟が両親に報告するまでの時間をどう過ごしたか。今回は弟が両親に結婚の報告をします。そして、母から「そういえば、由奈はどうなの?」と聞かれるところ。由奈にはしっかり悩んでもらいましょう。ほぼすべてAに丸投げで私Iはほぼ考えません。開幕エピソードスタートなので、トップの画像は前回から引用です。佐藤由奈さん編、前回
I「この後の弟の両親への報告のエピソードを書いて。文章で。由奈たち4人がどんな会話をするのか。結論としては、両親は好意的な対応であり、じゃああらためて弟が彼女を紹介するね、ということになった。うまく膨らませて話をつくって。」
A
夕方、台所から包丁の音が聞こえ始めたころ、弟が居間にいる両親に向かって声をかけた。
「父さん、母さん。ちょっと、いい?」
その言い方で、母はすぐに気づいたようだった。手を止めて、由奈のほうをちらりと見る。由奈は小さくうなずいて、弟に視線を戻した。
父は新聞をたたみ、眼鏡を外して弟を見る。
「どうした?」
弟は一度、息を吸った。
「実は……付き合ってる人がいて。もうすぐ一年になるんだけど、結婚のことをちゃんと考えてる」
一瞬、部屋の空気が静まる。
母が先に口を開いた。
「……そう。やっぱり、そういう話だったのね」
責めるでもなく、驚くでもなく、ただ落ち着いた声だった。
父は腕を組んだまま、少し考えてから言う。
「急に決めた話じゃなさそうだな」
「うん。勢いじゃない。ちゃんと話してきたし、これからのことも考えてる」
弟の声は緊張しているけれど、逃げていなかった。
由奈は、その様子を横目で見ながら、心の中で「大丈夫」とつぶやく。
母はしばらく黙ってから、やさしく尋ねた。
「どんな人なの?」
弟は少しだけ表情を緩めた。
「優しくて、真面目で……俺よりしっかりしてるところもある。由奈にも、そのうち会ってほしいと思ってる」
その名前を聞いて、由奈は静かにうなずいた。
「うん。話は聞いてる。いい人だと思うよ」
その一言に、弟の肩から力が抜けたのが分かった。
父は小さく息を吐いてから言った。
「結婚は簡単な話じゃない。でも、ここまで考えてるなら、否定する理由はないな」
母も続ける。
「そうね。大事なのは、ちゃんと相手を連れてきて、顔を見て話すことよ」
弟は少し身を乗り出して、はっきり言った。
「うん。だから、改めてちゃんと紹介したい。都合のいい日に、連れてくる」
母は微笑んで、
「それなら、私もきちんと準備しないとね」と言い、
父は照れたように咳払いをして、
「じゃあ、その時は俺もちゃんと話を聞こう」と応じた。
由奈はその様子を見ながら、胸の奥が静かに温かくなるのを感じていた。
弟が決断して、家族がそれを受け止めている。その空気は、少し前より確実に前に進んでいる。
「……じゃあ、ご飯できたわよ」
母のその一言で、張りつめていた空気がふっとほどける。
弟は照れたように笑い、由奈は立ち上がりながら言った。
「とりあえず今日は、ちゃんと食べよ」
こうして、佐藤家の夕方は、静かに、でも確かに新しい段階へ進んでいった。
I「描いて、佐藤家の晩御飯と、ご飯を食べる由奈。由奈大きめで、他の家族はいることがわかるくらいで目立たせず。今回は弟も踏まえた4人で。弟が増えた分、きっと母も料理に力を入れるんじゃないかな。弟の好きなものとかを入れるのかも。想像して描いて。」
I「食事後の由奈はどんな気持ちか予想して。文章で書いてみて。楽しいのだろうか?それとも自分のこれからを考えてるのだろうか?リラックスしてる?それとも弟の件で緊張した?想像してみて。」
A
食事が終わり、食卓が少しずつ片づけられていく中で、由奈は自分の中の感情を、ゆっくり確かめていた。
まず一番近いのは、ほっとした気持ちだった。
弟がきちんと話し、両親がそれを受け止め、場が荒れなかったこと。
その一連の流れを見届けたことで、胸にあった緊張がほどけていく。
楽しくなかったわけじゃない。
むしろ、料理はおいしくて、家族の会話も穏やかで、久しぶりの実家の食卓は安心感に満ちていた。
弟の好きな料理が並んでいるのを見て、母の気遣いも伝わってきたし、父がいつもより饒舌だったのも、由奈には微笑ましく映った。
でも、手放しで楽しい、という気持ちでもない。
食後、お茶を飲みながら、由奈はふと考える。
弟は、はっきりと「これから」を選び始めている。
それを祝福したい気持ちは本物だ。
一方で、自分はどうだろう、と自然に思ってしまう。
焦りではない。
羨ましさとも、後悔とも少し違う。
ただ、「自分の人生も、次の段階に入っているのかもしれない」という、静かな自覚に近い感覚だった。
リラックスしていないわけではない。
体は、実家の空気に包まれて、確かに緩んでいる。
でも、心の奥の一部だけが、ゆっくりと動き始めている。
弟の話で緊張していた時間が終わり、
今はその余韻の中で、自分自身に目を向け始めている状態。
由奈は、そんな夜を過ごしている。
すぐに答えを出そうとはしていない。
ただ、今日はもう、考えることをやめないでいい夜だと感じている。
楽しくて、安心していて、
それでも少しだけ、先を見てしまう。
食事後の由奈の気持ちは、
その三つが、静かに重なっていた。
I「食事を片付ける中で、母からそういえば由奈はどうなの?弟の恒一朗は結婚したいといってるのに?といったたぐいの質問をふいにされるエピソードを書いて。由奈は何と答える?」
A
食事が終わって、母と由奈が並んで台所に立っているときだった。
食器を流しに運び、由奈が水を出した、そのタイミングで、母がふいに言った。
「……そういえば」
声は、いつもと同じ調子だった。
探るようでも、責めるようでもない。
「恒一朗はさ、結婚したいって、ちゃんと考えてるみたいだけど」
由奈は、手元の皿を洗いながら、少しだけ動きをゆっくりにする。
「由奈は、どうなの?」
一瞬、台所に水の音だけが残った。
由奈は驚いた顔をするでもなく、困ったように笑うでもなく、
ただ、正直に考える間を取った。
「……どう、って言われると」
そう前置きしてから、由奈は言う。
「今すぐ、って感じじゃないかな」
母は、何も言わずに続きを待っている。
「考えてないわけじゃないけど」
「うん」
「誰かと比べて決めたいとも思ってないし」
由奈はスポンジを軽く絞り、流しの中を見つめたまま続けた。
「今は、ちゃんと仕事して、ちゃんと生活してて」
「……うん」
「それで、たまに立ち止まって考えることはあるけど」
「そう」
母は相づちを打つだけで、評価もしない。
由奈は少し息を吐いて、ようやく母のほうを見る。
「焦って決めたくはない、っていうのが一番近いかも」
「由奈らしいわね」
その言葉に、由奈は小さく笑った。
「恒一朗は、たまたま今、そのタイミングが来ただけで」
「そうね」
母は、洗い終えた皿を布巾で拭きながら言った。
「それぞれ、ペースがあるものね」
「うん」
それで話は終わった、と思ったとき、母がもう一言だけ付け加えた。
「でもね」
「なに?」
「何かあったら、言いなさい。
決まってなくても、迷ってても」
由奈は、少しだけ驚いて、それからうなずいた。
「……うん」
その返事は、無理をしていなかった。
台所の窓の外では、夜風が静かに木を揺らしている。
弟の話も、自分の話も、今はこの家の中に、ちゃんと置かれている。
由奈はそう感じながら、最後の皿を棚に戻した。
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