OL佐藤由奈さん編_メイキング5_エピソード14、由奈の心の揺れと家族
前回は、ストーリーは母から「そういえば、由奈はどうなの?」と由奈が自分の恋愛や結婚について聞かれるところ。間にキャラ造形として、由奈の友達の「小林花菜」をつくりました。前回のストーリーでは、弟の結婚の話を両親に伝えるエピソードで、表向きは魅せないけど、内心つかれたとかほっとしたとか、由奈自身の心の揺れが描写されていました。ではそれを参考にそういう由奈を描いていきます。佐藤由奈さん編、前回 (ストーリー)/ 佐藤由奈さん編、前回 (小林花菜)
I「由奈を描いて「実家のソファーにもたれて、うとうとする由奈」なんだか急にどっと力が抜けた。服はそのまま、糸が切れたようにソファーに崩れる。無防備な由奈。」」
前のエピソードで由奈は疲れたとあるので、そういう姿を描いていきます。
I「由奈を描いて「目覚めると、由奈の体には毛布が掛けられていた。きっと家族のだれかが心配してくれたのだろう。と同時に少しだけ恥ずかしい気持ちになった。まだ夜。かぞくはまだ起きている時間帯」」
I「虚ろな目のまま自室に向かう由奈を描いて。ねむくて、糸が切れかかっている人形のように足取りはぎこちない」
I「由奈を描いて「布団に入り眠る由奈。眠りは深い。寝顔に疲れがでている」」
I「由奈を描いて。朝になった。うとうとはしながら布団から上半身を起こし、ふと考え込む由奈。」
I「なんとなく母親が由奈の様子がいつもと違うことを察する。昨日の時点で感づいてはいたが、パジャマに着換えずねたこと、ソファーでの寝落ち、寝起きの由奈(いつもはもっとぐうたら傾向)。ここで母親が由奈に朝食ができたことを伝えに来る。どんなやりとりをするだろう?文章でかいてみて。」
A
由奈が布団の上でぼんやり座ったまま、まだ頭が完全に起ききらずにいるところへ、廊下を歩く足音が近づいてきた。
襖の向こうで、少しだけ間があってから、母の声がする。
「……由奈、起きてる?」
「……うん」
返事はしたものの、声は低くて、眠気が残っている。
母はそれを聞いて、そっと襖を開けた。
部屋に入ってきた母は、由奈の様子を一目見て、何も言わずに小さく息を吐く。
布団の中にきちんと収まっているけれど、服は昨日のまま。髪も整えていない。
いつもの「休みの朝の由奈」とは、どこか違う。
「朝ごはん、できたわよ」
そう言いながらも、母はすぐに戻ろうとしなかった。
由奈の顔を、少しだけ長く見る。
「……眠そうね」
「うん……」
由奈は布団の縁を握ったまま、視線を落とす。
「昨日、パジャマに着替えなかったでしょ」
「……うん」
責める調子ではない。
確認するような、静かな声だった。
母は、由奈のベッド脇に立ったまま言う。
「ソファーでも寝てたし」
「……うん」
短い返事が続く。
母はそれ以上、畳みかけない。
「今日はね、由奈にしては珍しいなって思って」
由奈は、少しだけ顔を上げる。
「珍しい?」
「ええ。いつもなら、休みの日はもっとぐうたらしてるでしょ」
その言い方に、由奈は小さく笑った。
「……確かに」
母も、つられて少し笑う。
「でも、今日はそうじゃない顔してる」
由奈は、しばらく黙ったまま考えてから、正直に言った。
「……なんか、頭が起きてる感じ」
「そう」
母はうなずくだけで、理由を聞こうとはしない。
「無理に話さなくていいから」
「うん」
「とりあえず、冷めないうちにご飯食べなさい」
「……行く」
由奈はそう言って、ゆっくり布団から足を出す。
母は立ち上がり、襖のところで一度だけ振り返った。
「あとで、話したくなったら呼んで」
「……うん」
その一言で、由奈の胸の奥が少しだけ緩む。
母が部屋を出ていくと、由奈は深く息を吐いた。
何も言われなくても、何かを察されている安心感。
「……さすがだな」
小さくつぶやいてから、由奈は布団を整え、朝の空気の中へ向かう準備を始めた。
I「実は父も由奈の違和感に」
A
……実は、父も由奈の違和感に気づいていた。
朝食の準備が整い、由奈が少し遅れて食卓に入ると、父は新聞をたたんで脇に置いた。
いつもならテレビをつけたまま、天気やニュースに相づちを打つ由奈が、今日は静かだ。
「おはよう」
由奈が席に座ってそう言うと、父はいつもより少し低い声で返した。
「おはよう」
それだけのやりとりなのに、由奈は一瞬、父の視線を感じた。
じっと見つめるわけではない。ただ、ちゃんと見ているという感じ。
味噌汁を一口飲んでから、父は何気ない調子で言った。
「昨日、遅くまで起きてたのか?」
由奈は箸を止める。
「……うん、まあ」
母が横で茶碗を置きながら、ちらっと父を見る。
二人の間に、言葉にしない了解があるのが分かる。
「ソファーで寝てただろ」
「……見てたの?」
由奈が少し驚くと、父はふっと息を吐いた。
「夜、電気消しに行ったらな」
「そっか……」
父はそれ以上、深く突っ込まない。
ただ、由奈の顔を一度だけ見てから言う。
「考えごとする日は、ちゃんと疲れる」
「……うん」
「答えを出さなくてもいい日もある」
その言葉に、由奈の胸が少しだけ詰まる。
母とは違う、父らしい距離感のある気遣いだった。
母が静かに続ける。
「由奈はね、考えるときは一気に考えるから」
「昔からそうだ」
父はそう言って、湯のみを手に取る。
「でも、ちゃんと戻ってくるだろ」
「……うん」
由奈は小さくうなずいた。
誰にも説明していないのに、
何があったかを聞かれなくても、
「今はそういう時期だ」と受け止められている。
それが、実家の空気だった。
父は新聞を持ち直しながら、最後にこう言った。
「食べ終わったら、少し散歩でもしてこい」
「散歩?」
「頭が起きてる日は、体を動かすといい」
由奈は、少しだけ笑った。
「……考えすぎないように?」
「そうだな」
朝の光が、食卓に差し込む。
由奈は味噌汁をもう一口飲みながら思う。
(気づいてたんだな……二人とも)
心配されすぎず、放っておかれもしない。
その距離感が、今の由奈にはちょうどよかった。
この家で育ったことを、
由奈はその朝、あらためて実感していた。
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