OL佐藤由奈さん18_気づいてたんだな……二人とも

OL佐藤由奈さん編_メイキング5_エピソード14、由奈の心の揺れと家族

前回は、ストーリーは母から「そういえば、由奈はどうなの?」と由奈が自分の恋愛や結婚について聞かれるところ。間にキャラ造形として、由奈の友達の「小林花菜」をつくりました。前回のストーリーでは、弟の結婚の話を両親に伝えるエピソードで、表向きは魅せないけど、内心つかれたとかほっとしたとか、由奈自身の心の揺れが描写されていました。ではそれを参考にそういう由奈を描いていきます。佐藤由奈さん編、前回 (ストーリー)佐藤由奈さん編、前回 (小林花菜)

I「由奈を描いて「実家のソファーにもたれて、うとうとする由奈」なんだか急にどっと力が抜けた。服はそのまま、糸が切れたようにソファーに崩れる。無防備な由奈。」」

前のエピソードで由奈は疲れたとあるので、そういう姿を描いていきます。

I「由奈を描いて「目覚めると、由奈の体には毛布が掛けられていた。きっと家族のだれかが心配してくれたのだろう。と同時に少しだけ恥ずかしい気持ちになった。まだ夜。かぞくはまだ起きている時間帯」」

I「虚ろな目のまま自室に向かう由奈を描いて。ねむくて、糸が切れかかっている人形のように足取りはぎこちない」

I「由奈を描いて「布団に入り眠る由奈。眠りは深い。寝顔に疲れがでている」」

I「由奈を描いて。朝になった。うとうとはしながら布団から上半身を起こし、ふと考え込む由奈。」

I「なんとなく母親が由奈の様子がいつもと違うことを察する。昨日の時点で感づいてはいたが、パジャマに着換えずねたこと、ソファーでの寝落ち、寝起きの由奈(いつもはもっとぐうたら傾向)。ここで母親が由奈に朝食ができたことを伝えに来る。どんなやりとりをするだろう?文章でかいてみて。」

A

由奈が布団の上でぼんやり座ったまま、まだ頭が完全に起ききらずにいるところへ、廊下を歩く足音が近づいてきた。

襖の向こうで、少しだけ間があってから、母の声がする。

「……由奈、起きてる?」

「……うん」

返事はしたものの、声は低くて、眠気が残っている。
母はそれを聞いて、そっと襖を開けた。

部屋に入ってきた母は、由奈の様子を一目見て、何も言わずに小さく息を吐く。
布団の中にきちんと収まっているけれど、服は昨日のまま。髪も整えていない。
いつもの「休みの朝の由奈」とは、どこか違う。

「朝ごはん、できたわよ」

そう言いながらも、母はすぐに戻ろうとしなかった。
由奈の顔を、少しだけ長く見る。

「……眠そうね」
「うん……」

由奈は布団の縁を握ったまま、視線を落とす。

「昨日、パジャマに着替えなかったでしょ」
「……うん」

責める調子ではない。
確認するような、静かな声だった。

母は、由奈のベッド脇に立ったまま言う。

「ソファーでも寝てたし」
「……うん」

短い返事が続く。
母はそれ以上、畳みかけない。

「今日はね、由奈にしては珍しいなって思って」

由奈は、少しだけ顔を上げる。

「珍しい?」
「ええ。いつもなら、休みの日はもっとぐうたらしてるでしょ」

その言い方に、由奈は小さく笑った。

「……確かに」

母も、つられて少し笑う。

「でも、今日はそうじゃない顔してる」

由奈は、しばらく黙ったまま考えてから、正直に言った。

「……なんか、頭が起きてる感じ」
「そう」

母はうなずくだけで、理由を聞こうとはしない。

「無理に話さなくていいから」
「うん」

「とりあえず、冷めないうちにご飯食べなさい」
「……行く」

由奈はそう言って、ゆっくり布団から足を出す。

母は立ち上がり、襖のところで一度だけ振り返った。

「あとで、話したくなったら呼んで」
「……うん」

その一言で、由奈の胸の奥が少しだけ緩む。

母が部屋を出ていくと、由奈は深く息を吐いた。
何も言われなくても、何かを察されている安心感。

「……さすがだな」

小さくつぶやいてから、由奈は布団を整え、朝の空気の中へ向かう準備を始めた。

I「実は父も由奈の違和感に」

A

……実は、父も由奈の違和感に気づいていた。

朝食の準備が整い、由奈が少し遅れて食卓に入ると、父は新聞をたたんで脇に置いた。
いつもならテレビをつけたまま、天気やニュースに相づちを打つ由奈が、今日は静かだ。

「おはよう」

由奈が席に座ってそう言うと、父はいつもより少し低い声で返した。

「おはよう」

それだけのやりとりなのに、由奈は一瞬、父の視線を感じた。
じっと見つめるわけではない。ただ、ちゃんと見ているという感じ。

味噌汁を一口飲んでから、父は何気ない調子で言った。

「昨日、遅くまで起きてたのか?」

由奈は箸を止める。

「……うん、まあ」

母が横で茶碗を置きながら、ちらっと父を見る。
二人の間に、言葉にしない了解があるのが分かる。

「ソファーで寝てただろ」
「……見てたの?」

由奈が少し驚くと、父はふっと息を吐いた。

「夜、電気消しに行ったらな」
「そっか……」

父はそれ以上、深く突っ込まない。
ただ、由奈の顔を一度だけ見てから言う。

「考えごとする日は、ちゃんと疲れる」
「……うん」

「答えを出さなくてもいい日もある」

その言葉に、由奈の胸が少しだけ詰まる。
母とは違う、父らしい距離感のある気遣いだった。

母が静かに続ける。

「由奈はね、考えるときは一気に考えるから」
「昔からそうだ」

父はそう言って、湯のみを手に取る。

「でも、ちゃんと戻ってくるだろ」
「……うん」

由奈は小さくうなずいた。

誰にも説明していないのに、
何があったかを聞かれなくても、
「今はそういう時期だ」と受け止められている。

それが、実家の空気だった。

父は新聞を持ち直しながら、最後にこう言った。

「食べ終わったら、少し散歩でもしてこい」
「散歩?」
「頭が起きてる日は、体を動かすといい」

由奈は、少しだけ笑った。

「……考えすぎないように?」
「そうだな」

朝の光が、食卓に差し込む。
由奈は味噌汁をもう一口飲みながら思う。

(気づいてたんだな……二人とも)

心配されすぎず、放っておかれもしない。
その距離感が、今の由奈にはちょうどよかった。

この家で育ったことを、
由奈はその朝、あらためて実感していた。

I ((心の声))

今回のエピソードでは、由奈の心の揺れを描いて、それをみた由奈の両親をかくことで、由奈のエピソードを回していくようにしました。ここまでやってやっと、由奈が初恋の人との接点をつくるようなきっかけにつながったと思います笑。次のエピソードでそういう場面を作りましょう。佐藤由奈さん編、次回

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