フボヤマ世界を転生由奈、佐倉美咲が旅行する話です。フボヤマのメインエピソードでは書ききれなかった部分を、観光という形で描いていきます。Aと相談して作ったコンテンツです。
前回:アルヴァリア王国1
I「良いね。次はエピソードにある、このカフェで、美咲が牛系獣人の大学教授と一緒に写真を撮っている画像を作って。どうやら撮影させてもらったようだ。カフェという場所と、獣人の外見が伝わるように。」
私は、佐倉 美咲。
世界を旅する、ただの旅行者だ。仕事でも取材でもなく、
見るために、歩くために、この国を訪れている。
I「良いね。この画像のエピソードをいこう。小腹がすいたので、美咲は近くのお店でお昼ご飯を食べることにした。ちょうど近くにテラス席があるカフェがあり、そこに入る。テラス席についてメニューを見て、隣にいる獣人の客におススメを聞いてみると、どうやらここはフィッシュアンドチップスと紅茶が有名らしい。この獣人は「牛系獣人」で、鎧のような屈強な筋肉の巨体で、大柄な体躯の外見は「ミノタウロス」だが、英国紳士風の服装で (黒系統で、落ち着いた雰囲気、筋肉でスーツが張っている)、巨大な黒い傘を持っている。どうやら、この近くの「王立大学」の大学教授で、歴史学が専門のようだ (この日は大学は休み、周りの人に先生と挨拶されているようなので、有名なんだろう)。このまま、一緒に昼食を食べた。せっかくなので、アルヴァリア王国の歴史を教えてもらうが、大部分は美咲は忘れてしまった笑。近くの観光地もいろいろ教えてもらったが覚えきれず、アルヴァリア海軍博物館が近くにあることは覚えていた。これをもとにエピソードを作って。」
A
裏通りを抜けた先に、小さなカフェが見える。
石造りの建物に、濃紺のひさし。
テラス席には何組か客がいて、
観光客らしい人間もいれば、地元の住民らしい異種族も混ざっていた。
私はそのまま店に入り、
外側の席に座る。
木製のメニューを開くと、
聞き慣れない料理名も多い。
読めなくはないけれど、
どれがこの国らしいのかは、よくわからない。
少し迷ってから、
隣の席に視線を向ける。
そこに座っていたのは、
かなり大柄な牛系獣人だった。
最初に目に入ったのは、肩幅。
分厚い黒のジャケットが、筋肉でわずかに張っている。
体格だけなら、城門の兵士より大きいかもしれない。
頭部は、いわゆる“ミノタウロス”を思わせる造形だ。
大きな角。
重厚な首回り。
ただし威圧感より先に、「整っている」という印象が来る。
黒系統のスーツに、深い色のネクタイ。
足元まできちんと磨かれていて、
横には巨大な黒い傘が立てかけられていた。
その姿は、妙に“英国紳士”らしい。
「すみません」
私が声をかけると、
彼はティーカップを置き、穏やかにこちらを見た。
「このお店、初めてで。
おすすめってありますか?」
すると彼は、少し考えるように視線を上げてから言う。
「初めてなら、フィッシュアンドチップスが無難でしょう。
紅茶も悪くありません」
低く落ち着いた声だった。
「やっぱり有名なんですね」
「この辺りでは、ですが」
そう言って、彼は小さく笑う。
注文を済ませる頃には、
周囲の客が何人か彼に会釈していくのが見えた。
「先生、お疲れさまです」
「こんにちは、教授」
そんな声が、自然に飛んでくる。
どうやら、かなり知られた人物らしい。
「大学の先生なんですか?」
料理を待つ間に聞いてみると、
彼はうなずいた。
「王立大学で歴史学を教えています。
今日は休みですが」
「歴史学……」
思わず周囲を見る。
この国で、
牛系獣人の教授。
しかも“王立大学”。
少し意外だったのかもしれない。
そんな私の反応を見て、
彼は特に気分を害した様子もなく紅茶を飲む。
「珍しい、と思いましたか?」
「少しだけ」
正直に答えると、
彼は穏やかにうなずいた。
「まあ、この国では“珍しくないが、多くもない”立場です」
どこかで聞いたような言い回しだった。
しばらくして、料理が運ばれてくる。
揚げた魚は驚くほど大きく、
衣は軽い。
山盛りのポテトと、濃い色のソース。
そして熱い紅茶。
美味しい。
観光地の料理、というより、
長く食べられてきた料理の味がした。
食事をしながら、
私は教授からアルヴァリア王国の歴史を聞くことになった。
王権。
古い貴族。
海洋交易。
異種族との関係。
競技文化の成立。
人間ゴルフの正統化。
話は面白かった。
本当に面白かったのだ。
ただ――
正直に言えば、
私は途中からかなり忘れていた。
聞き慣れない王朝名と、
年代と、戦争と、同盟が、
紅茶の湯気と一緒に頭から抜けていく。
教授も途中でそれに気づいたのか、
「まあ、旅行中はそんなものです」と笑っていた。
その代わり、
観光地の話は覚えやすかった。
古い港。
王立劇場。
河川沿いの夜景。
そして、この近くにあるという――
「アルヴァリア海軍博物館は、比較的おすすめです。
この国の性格が、よく出ていますから」
その言葉だけは、
妙にはっきり頭に残った。
食事を終える頃には、
空は少しだけ曇り始めていた。
教授は巨大な黒い傘を手に立ち上がり、
私に軽く会釈する。
「よい旅を、ミス・サクラ」
「ありがとうございます、先生」
彼はそのまま、
石畳の通りを静かに歩いていく。
大きな背中なのに、
人混みに溶け込むような歩き方だった。
私は冷めかけた紅茶を飲みながら、
スマホのメモに短く書き込む。
――海軍博物館。
あとで行く。
歴史の大部分は忘れたのに、
それだけは、なぜか忘れなかった。
I「良いね。このエピソードにある、このカフェで美咲が撮影した料理と紅茶の写真を作って。この後SNSにでもアップするかのような感じで。」
I「良いね。このエピソードの続きで、美咲は海軍博物館に向かった。近づくにつれて、だんだん街の外観がいかにも権威層好みな古風な感じになっていいき、住民は異種族より人間多め、貴族のような感じの人が増えているようだ。海軍はアルヴァリア王国の象徴みたいなものなので、美咲は博物館は外観から気合が入っている印象を受けた。この様子をエピソードにしてみて。海軍博物館にたどり着くまで。」
A
カフェを出る頃には、
空気が少しだけ湿っていた。
教授に教えてもらった通り、
私は河川沿いの道を辿って、
アルヴァリア海軍博物館へ向かうことにする。
最初のうちは、
さっきまでと同じ街並みだった。
洗濯物が揺れる路地。
石畳の側道。
異種族の働く姿。
観光客向けではない、小さな店。
けれど、歩くにつれて、
少しずつ空気が変わっていく。
まず、建物の装飾が増えた。
窓枠。
街灯。
扉の金具。
どれも必要以上に手が込んでいる。
色合いも落ち着いていて、
白、黒、紺、深緑。
街そのものが、「格式」に合わせて整えられているようだった。
通りを歩く人間の服装も変わる。
長いコート。
仕立ての良い帽子。
革靴。
杖を持つ老人。
どこか“古い上流階級”を思わせる人々が、
自然にこの辺りを歩いている。
異種族の姿が消えたわけではない。
ただ、割合が変わっていた。
裏通りでは当たり前のように見かけた獣人やドワーフは減り、
見かけても、
従者や使用人の立場に見える者が多い。
一方で、人間たちは皆、
この街区に慣れている顔をしていた。
ここは、
城の「裏」ではない。
むしろ、
この国が“見せたい側”の街なのだろう。
道幅が広くなり、
河川沿いに出る。
そこで初めて、
遠くに海軍博物館が見えた。
――大きい。
思わず、足が止まる。
建物というより、
「記念碑」に近い印象だった。
巨大な石造建築。
規則的に並ぶ柱。
高い階段。
屋上には、王国旗と海軍旗が風を受けている。
入口へ続く広場には、
古い艦砲や錨が展示され、
歴代提督らしき人物の銅像も並んでいた。
博物館なのに、
どこか軍施設のような緊張感がある。
教授が言っていた言葉を思い出す。
――この国の性格が、よく出ていますから。
たしかに、その通りかもしれない。
美しさはある。
圧倒されるほどに。
でも、それ以上に、
「誇り」が前面に出ている。
いや、誇りというより――
正統性。
この国は、
海を支配してきた歴史そのものを、
建物にして保存しているのだ。
広場を歩く人々も、
どこか静かだった。
観光客はいる。
学生らしい集団もいる。
だが皆、
自然と声を抑えている。
正面階段の前には、
紺と白を基調とした制服の警備兵が立っていた。
城門の兵士より柔らかい印象だが、
立ち姿には隙がない。
その背後で、
巨大な石造りの海軍博物館が、
まるで王国そのものみたいに、
静かに空を背負っていた。
私はその光景をしばらく見上げてから、
ゆっくりとスマホを取り出す。
これは、
たぶん写真に残しておきたい景色だと思った。
I「良いね。美咲が撮影した海軍博物館の外観の画像をつくって。記念写真風に。警備兵と入り口をいれよう。」
次回:
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