OL佐藤由奈さん21_気づかないふりをして通り過ぎた「もしも」。

OL佐藤由奈さん編_メイキング6_エピソード16、心はまだ揺れているけれど、逃げるほどではない。

前回は、由奈が初恋の人と同じ場所にいたけれど、お互いを認知しはすれどすれ違った場面を描きました。それを受けての由奈の心の揺れみたいなものを表現します。

佐藤由奈さん編、前回エピソード由奈のキャラクター設定

I「エピソードの続きを考えて。家に帰った由奈、この後家族とどんな会話をする?おそくなったから、多分家族は由奈が何をしたのかを聞くと思うし、由奈も心配させないような会話をすると思う(実際に何があったかをいうかどうかは別にして)。」

A

由奈が家に戻ったのは、夕方を少し回った頃だった。
玄関の引き戸を開けると、台所から包丁の音と、出汁の匂いが流れてくる。

「ただいま」

少しだけ声を張って言うと、母が振り返った。

「あら、おかえり。思ったより遅かったわね」
「うん、ちょっと散歩が長くなって」

靴を脱ぎながら答える声は、なるべくいつも通り。
母は由奈の顔を一度見て、深くは追及しなかった。

「暑くも寒くもなくて、歩きやすい日だったでしょ」
「うん、風が気持ちよかった」

そのやり取りを聞いていた父が、居間から声をかける。

「喫茶店にも寄ったのか?」
「うん、少しね。コーヒー飲んでただけ」

嘘ではない。
ただ、全部は言っていないだけだ。

父は新聞を畳みながら言う。

「顔、そんなに疲れてないな」
「歩いたら、逆にすっきりした」

それもまた、本当だった。

由奈は洗面所で手を洗い、居間に入る。
弟はまだ外出中で、家の中は静かだ。

「何かあった?」

母が、火を弱めながら、あくまで軽い調子で聞く。
由奈は一瞬だけ間を置いてから、こう答えた。

「ううん。いろいろ考えただけ」

母はそれ以上聞かず、頷いた。

「そういう日もあるわね」
「うん」

由奈は座布団に腰を下ろし、湯のみを手に取る。
温かさが、ゆっくりと指先に伝わってくる。

(言わなくていいこともある)

心配させないためではなく、
まだ自分の中で言葉になっていないから。

父がふと思い出したように言った。

「今日は外で夕飯、食べてきたのか?」
「いや、家で食べる。お腹空いた」

その返事に、母が少しだけ安心したように笑う。

「じゃあ、もう少しでできるから」
「手伝おうか?」
「いいのよ、座ってて」

由奈は頷き、背もたれに軽く体を預けた。

家族の会話は、天気のこと、近所のこと、
弟が何時頃帰るか――そんな、取り留めのない話に流れていく。

由奈はその中に身を置きながら思う。

(今は、これでいい)

全部を話さなくても、
黙っていても、
この家では、ちゃんと居場所がある。

夕方の静かな時間が、
由奈の中で、少しずつ今日を終わらせていった。

I「描いて、佐藤家の晩御飯と、ご飯を食べる由奈。由奈大きめで、他の家族はいることがわかるくらいで目立たせず。今回は弟も踏まえた4人で囲む食卓。弟の結婚の報告の話が前日だったので、食事はいつもの佐藤家の食卓といった感じ。特段豪華でも手抜きでもなく、いつも通りのご飯が並ぶ。」

I「この後由奈は食後に家で弟と会話する。どうやら佐々木 恒一子は弟と面識があって、気になって佐々木 恒一子から弟に連絡したらしい。佐々木 恒一子からは、懐かしい面々が6人も同じ場所に会したのに、特に話すことなく由奈が返ったものだから、何かあったのかなと考えたらしい。佐々木 恒一子は男癖は悪いが、悪い奴ではない。ちなみに佐々木 恒一子と由奈の弟は恋愛関係になったこともなく、体の関係を持ったこともなく、単に知り合いの知り合いとしてつながった関係。これを踏まえて夕ご飯のあとの由奈と弟の会話をかいて。文章で。」

A

食後、台所で食器の音が落ち着いた頃、由奈は縁側寄りの居間でお茶を飲んでいた。
少し遅れて、弟が隣に腰を下ろす。

「ねえ、姉ちゃん」

呼びかけ方が、少しだけ探るようだ。由奈は湯のみを置いて顔を向ける。

「なに?」
「今日さ……佐々木 恒一子さんから連絡きた」

その名前を聞いて、由奈の眉がほんのわずかに動く。

「……ああ」
「やっぱ知ってるよね」

弟は苦笑いをして続ける。

「喫茶店で会ったんだって? 懐かしいメンバーが何人もいたって」
「いたね」

由奈の返事は短い。弟はそれを責めるでもなく、少し言葉を選ぶ。

「恒一子さんさ、
『由奈がすぐ帰っちゃったから、なんかあったのかなって』って」

由奈は一瞬、視線を落とす。
それから、正直に言った。

「……別に、大したことじゃないよ」
「うん」

「ちょっと、苦手な人たちが重なっただけ」
「そっか」

弟はそれ以上、深掘りしない。
姉がそう言うときは、本当に説明したくないわけではなく、説明する言葉がまだ整っていないときだと知っている。

「恒一子さんさ、変な人だけど……悪気はないと思う」
「うん、それは分かってる」

由奈は小さく笑う。

「距離感が近いだけだよね。昔から」
「そうそう。俺にも急に連絡してくるし」

弟は頭をかきながら言った。

「『由奈、元気そうだった?』って聞かれた」
「なんて答えたの?」
「『元気そうだったと思う』って」

その答えに、由奈は少しだけ息を抜いた。

「正解」
「だよな」

しばらく、二人の間に静かな時間が流れる。
庭の虫の声が、夜の空気に溶けていく。

弟が、ぽつりと言った。

「姉ちゃんさ」
「うん?」
「無理に、全部説明しなくていいから」

由奈は驚いたように弟を見る。

「……どうしたの、急に」
「俺さ、結婚の話するって決めたけどさ」

弟は少し照れくさそうに笑う。

「それでも、分からないこと多いし、
 決めきれない気持ちもあるんだよね」

由奈は、その言葉を静かに受け取る。

「だからさ。姉ちゃんが迷ってても、全然普通だと思う」
「……ありがと」

弟は肩をすくめる。

「佐々木 恒一子さんの件もさ、
 気になるなら、気になるでいいと思うし」

由奈は首を振った。

「気になる、っていうより……思い出しただけ」
「それも、普通」

その一言が、由奈の胸にやさしく落ちた。

「ねえ」
「ん?」
「今日はさ、もう休みなよ。歩いたんでしょ」
「……そうする」

由奈は湯のみを持ち上げて、少しだけ笑った。

家族の中で、
説明しなくてもいい会話ができること。

それが、今夜の由奈には、何よりありがたかった。

I「その後、由奈は風呂に入り、パジャマに着換えた。その後由奈家では何をする?翌日の昼に家を出発して東京に戻るつもり。明後日由奈は仕事。」

A

風呂から上がった由奈は、髪を軽く拭いてからパジャマに着替えた。
実家のパジャマは、少し色あせていて、東京の部屋で着ているものよりゆったりしている。袖を通しただけで、体の力が抜けるのを感じた。

居間に戻ると、父はテレビで静かなドキュメンタリー番組を見ていて、母はソファの端で洗濯物をたたんでいる。弟はスマホを片手に、時々画面を見ては考え込むような顔をしていた。

由奈は、ソファの空いているところに腰を下ろす。

「もう一回、お茶飲む?」
母が聞く。

「うん、少し」

湯のみを受け取り、由奈は両手で包む。
テレビの音量は小さく、誰も積極的に会話をしようとはしない。けれど、沈黙が気まずいわけでもない。

父がふと思い出したように言う。

「明日は昼に帰るんだったな」
「うん。お昼過ぎの電車で」
「じゃあ午前中はゆっくりできるな」

由奈は頷く。

「洗濯物、朝のうちにまとめちゃおうかなって思って」
「それなら、早めに回そうか」

母はそう言って、洗濯物を脇に置いた。

その後は、それぞれがそれぞれの時間を過ごす。
父は番組が終わるとテレビを消し、新聞を読み始める。
弟はスマホで恋人と短いメッセージのやり取りをしている様子だが、内容までは見せない。
母は明日の朝食の段取りを考えながら、台所を軽く整えている。

由奈は、ソファにもたれて、ぼんやり天井を見上げた。

(明日、東京に戻るんだな)

思ったより、寂しさはない。
でも、少しだけ名残惜しい。

この家で過ごす時間が、今の自分にとって「立ち止まるための時間」だったことを、由奈ははっきり自覚していた。

夜も遅くなり、母が声をかける。

「そろそろ、休もうか」
「うん」

由奈は歯を磨き、自分の部屋に戻る。布団に入る前、スマホを手に取って少しだけ迷い、結局何も触らずに画面を伏せた。

明日は、移動の日。
考え続ける日ではなく、いったん区切る日。

由奈は布団に潜り込み、深く息を吐く。

(仕事は、明後日から)

そう思うと、気持ちが少し整った。
眠りに落ちる直前、由奈の頭の中には、今日一日の出来事が静かに並んでいたが、どれももう、急いで答えを出す必要はなかった。

実家の夜は、変わらず静かに更けていった。

I「このエピソードのソファにもたれてぼんやり天井を眺める由奈を描いて。由奈の表情と顔の角度はこんな感じが良いな。由奈はパジャマで風呂に入った後だから髪をとかしいるよね。」

I「描いて「自室の布団で眠る由奈。このパジャマ。本日の喫茶店のエピソードを踏襲した寝顔と寝姿にして」」

I「描いて、佐藤家の朝御飯と、ご飯を食べる由奈。由奈大きめで、他の家族はいることがわかるくらいで目立たせず。今回は弟も踏まえた4人で囲む食卓。由奈はこの日に東京に戻る。由奈はパジャマ。家族と談笑して笑顔の由奈。由奈の顔大きく。」

I「私服に着換え、東京の自宅に帰る由奈。地元の駅に向かう道中、シルバーウィーク最終日の昼、天気は晴れ。心地よい風が吹いている。」

I「東京についた由奈。まっすぐ帰宅する?それともどこかによる?普段の由奈ならスイーツを買うところだけど、今の由奈はこころが動いてる。どんな行動をするかな?文章で」

A

東京に着いた由奈は、改札を抜けたところで一瞬立ち止まる。
いつもなら、考える間もなく体がデパートの地下へ向かう。
ショーケースの前に立って、季節限定だとか、今日は疲れたから少し贅沢にとか、そういう理由を自分に与えて、甘いものを買って帰る。それが、由奈の「帰宅の型」だった。

でも今日は、足が動かない。

スイーツを思い浮かべると、嫌いなわけじゃないのに、なぜか胸の奥が少しだけ静かになる。
満たしたいのは空腹じゃなくて、もっと別のところだと、自分でもはっきり分かってしまっている。

ホームに吹き込む風に、地元の昼間の空気を思い出す。
縁側、母の声、弟の決意。
そして喫茶店で、気づかないふりをして通り過ぎた「もしも」。

由奈はスマホを取り出して、無意識に画面を眺める。
誰かに連絡するわけでもなく、SNSを開くわけでもない。
ただ、指先が止まったままになる。

結局、由奈は寄り道をしない。
デパートにも、コンビニにも入らず、まっすぐ自宅のある方向へ歩き出す。

代わりに、途中の小さな公園にだけ足を向ける。
ベンチに腰を下ろして、少しだけ夜の空を見上げる。
東京の空は相変わらず明るくて、星はほとんど見えない。それでも、風はちゃんと秋の匂いがした。

「……今日は、甘いものじゃない日だな」

小さくそう呟いてから、由奈は立ち上がる。
心はまだ揺れているけれど、逃げるほどではない。
今夜は、ちゃんと家に帰って、何もしない時間を過ごそう。

そう決めて、鍵の音が響く自分の部屋へと帰っていく。

I「このエピソードの公園のベンチに腰を下ろした由奈を描いて。由奈は考え事をしてかぽかん口」

I「描いて「家に帰り、部屋着に着換え、布団に入る由奈。布団をぎゅっと抱く。」」

I「ちなみに由奈と高橋 恒一はお互いの連絡先をしっている?それとも知らない?中学の時点で接触回数が多いわけでもなければ、お互いに顔が広い感じではなさそうではあるけど。」

A

これまでの設定と二人の性格・距離感を踏まえると、結論はこうだと思う。

由奈と高橋 恒一は、お互いの連絡先を知らない。
少なくとも「今は」。

中学時代の関係性から考えると

  • 二人は同級生で、顔と名前はしっかり知っている

  • ただし

    • 毎日話すほど近い

    • 放課後に一緒に行動する

    • 連絡を取り合う
      …というタイプの関係ではなかった

  • クラスの中で

    • 恒一は「静かで目立ちすぎないが、芯があるタイプ」

    • 由奈は「おとなしく、群れず、慎重」
      という立ち位置だったため、
      連絡先を交換する“きっかけ”がなかったのが自然

当時はスマホもなく、
連絡先=家電 or メールアドレスという時代だった可能性も高く、
「なんとなく聞きそびれたまま卒業」しやすい関係。

卒業後〜現在まで

  • 同窓会に頻繁に出るタイプでもない

  • 共通の友人が“連絡網”を作るほど密でもない

  • SNSで偶然つながるほど、どちらも発信型ではない

結果として、

  • 顔を見ればすぐ分かる

  • 名前を聞けば記憶がはっきり蘇る

  • でも
    「連絡する手段」はない

という、
いちばん再会がドラマになりやすい距離感にいる。

今回の喫茶店エピソードとの相性

だからこそ、

  • 同じ場所にいても声をかけられない

  • 店を出た後に「戻る」という選択ができない

  • 「偶然を待つしかない」状況になる

そして、

  • 恒一は「由奈が恋人はいない」ことを知った

  • 由奈は「恒一が今もこの街にいる」ことを知った

連絡先を知らないからこそ、二人の物語はまだ“動き出していない”
でも、確実に“再び交差しうる位置”には来ている。

とても、二人らしい関係性だと思う。

I ((心の声))

Aの設定をみてると、Iとしては由奈は待ち、ゆっくり考える的な印象だったので、ここでは由奈が咀嚼する時間を設けていきました。今後に繋いでいくために、もやもやを持ち帰ってもらいます。佐藤由奈さん編、次回

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