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OL佐藤由奈さん編_メイキング6_エピソード17、「……連絡先、交換する?」
前回は、余韻の話。帰省先で、由奈が初恋の人と同じ場所にいたけれど、お互いを認知しはすれどすれ違った。今回はその後、東京に戻った後の話です。ようやくですが、ここで由奈に初恋の人と出会ってもらいます。出会い方はAが設定でこんな感じで出会う、と予想した出会い方 (をつくるためにいろいろエピソードをつくってました)。出会ってから二人が何をするかは人間Iは全く考えず、Aに丸投げします。
I「描いて、由奈は目を覚まし、食事や準備を済ませてスーツに着換えた」「髪を結んで、青系のネクタイを締めて。ネクタイは無地」
I「職場の最寄りの地下鉄の駅で降りると、高橋 恒一がホームにいた。由奈とは逆の電車に乗ろうとしている。由奈は高橋 恒一かどうか確信がもてなかったが、思わず呼び止めた(高橋 恒一だった)。この後の会話を書いて。高橋 恒一はあと2分後にくる電車に乗る予定。由奈はあと20分この場に留まると遅刻する時間、高橋 恒一はあと15分後の電車までなら待っても仕事に支障がないくらいの状態だとしよう。どんな会話をする?連絡先は交換する?あるいは会う約束をする?予想してみて。」
A
地下鉄のホーム。朝のラッシュが一段落し、アナウンスと風の音だけが響く中だった。
由奈は、少し前を歩く後ろ姿を見て、胸の奥がきゅっと縮むのを感じた。
肩幅、歩き方、横顔の輪郭。
「……違ったら、恥ずかしい」
そう思いながらも、足が止まらなかった。
「……高橋、くん?」
呼びかけた声は、自分でも驚くほど小さかった。
男性が一瞬だけ立ち止まり、ゆっくり振り返る。
「……佐藤?」
数秒の間。
お互いの顔を見て、同時に少し息を吸った。
「やっぱり、由奈か。久しぶりだな」
「……うん。久しぶり。びっくりした……」
由奈は、少し気まずそうに笑う。
恒一は、懐かしさと戸惑いが混じったような表情だった。
「こっちの路線、使ってるって聞いたことはあったけど」
「私も……でも、まさか本当に会うとは思わなくて」
アナウンスが流れる。
恒一が乗る予定の電車まで、あと2分。
「俺、あと一本見送っても平気だけど……由奈は?」
「私は……20分ここにいたら、完全に遅刻」
由奈は苦笑する。
恒一は少し考えてから、言った。
「じゃあ、ここで全部話そうとするのは無理だな」
「うん……」
一瞬の沈黙。
由奈は、思わず口を開く。
「……この前、喫茶店にいたよね?」
「……あ、やっぱり気づいてた?」
「私は気づいてなかった。でも……後から」
恒一は少し照れたように笑う。
「声かけようか迷ったけど、タイミング逃してさ」
「私も……たぶん、同じ」
また、アナウンス。
次の電車が入線する音が遠くから近づいてくる。
「……連絡先、交換する?」
恒一が、少し慎重な声で言った。
由奈は一瞬だけ迷ってから、頷く。
「うん。……うれしい」
スマホを取り出し、手早く連絡先を交換する。
画面に名前が表示された瞬間、現実感がじわっと湧いた。
「今度、ちゃんと話せる時間つくろう」
「……うん。平日夜か、週末なら」
「じゃあ、俺から連絡する」
電車のドアが開く音。
恒一が一歩乗り込み、振り返る。
「呼び止めてくれて、ありがとう」
「……こちらこそ」
ドアが閉まり、電車が動き出す。
由奈はその場に立ったまま、走り去る車両を見送った。
胸の奥が、少しだけ軽くなっていた。
同時に、今日一日が、これまでと違う色で始まった気がしていた。
I「駅を出た後、会社に向かう由奈。駅を出てから徒歩5分くらいの場所にいる。少し小走り。足元は革靴とズボン。」
I「由奈を描いて。「昼休みに給湯室で弁当を食べる由奈。ちなみに高橋 恒一からはまだ連絡はない。周りに社員が何人かいる。由奈以外の社員はぼかして。どんな表情でたべてるだろうか」」
I「ご飯を食べた後の午後の由奈の仕事をしている様子を書いて。文章で。高橋 恒一と連絡先を交換はしたが、あちらこあら連絡が来てない状況は変わらず。由奈は仕事に入ると由奈はスマホを触らないものとしよう(ただし、きになるので高橋 恒一からメッセージがきたかどうかは確認はして、連絡がないことを把握している)」
A
午後のフロアは、午前中よりも少しだけ静かだった。
昼休みを終えた由奈は、給湯室から自席に戻り、椅子に腰を下ろすと、自然な動作でパソコンを立ち上げた。
画面が起動する間、ほんの一瞬だけ、スマホを手に取る。
ロック画面を確認するだけ。通知は――ない。
高橋恒一からの名前も、見慣れないアイコンも、そこには表示されていなかった。
由奈は小さく息を吐き、スマホを裏返してデスクの端に置く。
「仕事中に触らない」
それは社会人になってから身についた、彼女なりのけじめだった。
午後の予定は、企画資料の修正と、先週の数値を反映させたレポート作成。
集中力が求められる作業だ。
キーボードを打ち始めると、思考は自然と業務に引き戻されていく。
グラフの色味を調整し、文言を一行削り、代わりに注釈を足す。
後輩から質問があれば、椅子を少し引いて画面を共有し、淡々と説明する。
声のトーンも表情も、いつも通り落ち着いている。
ただ、ふとした瞬間――
セルの数字を確認する手が一拍遅れたり、
保存ボタンを押したあとに、無意識に視線がスマホのある方向へ流れたりする。
「……来てないよね」
確認はしない。
さっき見たから、分かっている。
それでも、心のどこかが小さくざわつく。
――あの駅での数分間。
――連絡先を交換したときの、少し照れたような高橋の表情。
考えそうになるたび、由奈は画面に視線を戻す。
今は仕事の時間だ、と自分に言い聞かせるように。
夕方に近づくにつれて、作業は着実に片付いていった。
提出用フォルダにファイルを格納し、チェックリストを一つずつ消していく。
「今日はここまでだな」
達成感は、ちゃんとある。
仕事は順調だし、評価も安定している。
それでも、心の奥には、
連絡が来ていないという事実が、静かに、確かに残っていた。
由奈はそれを無理に追い払うことはせず、
ただ一度だけ胸の内で受け止めてから、
もう一度キーボードに手を置いた。
今日の午後の由奈は、
きちんと仕事をしている、いつもの社会人の顔をしていた。
その内側で、小さな揺れを抱えたまま。
I「このエピソードのパソコンで仕事をしながらスマホに視線を移す由奈を描いて。由奈の表情がしっかり見えるアングルで」
I「緊急の案件で、残業することになった。これまでの設定を踏まえて、どんな理由で残業することになったんだろう。由奈の部署から、残業している由奈、職場の社員とのやりとりを文章で書いて。」
A「了解です。」
これまでの設定(業務企画部・几帳面・後輩の面倒見がよい・営業部長とも直接やり取りがある由奈)を踏まえて、自然な「急な残業理由」と、その場のやりとりを書きますね。
残業になった理由と、由奈の様子
午後も遅くなったころ、業務企画部に一本の内線が入った。
営業部からだった。
今週末に予定されていた大口クライアント向けの提案資料に、先方から急な条件変更が入ったという。
金額条件そのものではないが、運用フローとリスク説明の部分を修正してほしい、という内容だった。
本来なら翌週対応でもおかしくない話だったが、
「先方の役員会が明日の朝に前倒しになった」
その一言で、空気が変わった。
由奈は資料を一目見ただけで分かった。
この修正は、営業だけでは無理だ。
業務企画が入らないと、説明の筋が通らない。
「……私、残ります」
自然にそう口にしていた。
隣の席の先輩が一瞬こちらを見て、
「無理しなくていいよ?」
と声をかける。
由奈は小さく首を振った。
「大丈夫です。
今日中に一回、きれいにしておいた方が、明日が楽になりますし」
後輩が申し訳なさそうに、
「すみません、私も残ります」
と言うと、由奈は少しだけ柔らかく笑った。
「ありがとう。でも、あなたは先に帰って。
明日の朝、確認だけ一緒にやろう」
業務企画部のフロアは、少しずつ人が減っていく。
照明が間引かれ、キーボードの音だけが残る。
由奈はパソコンに向かい、営業部から届いたメモと、元の提案資料を並べる。
修正点を洗い出し、言葉を選び、図の配置を直す。
集中している間、スマホには触らない。
けれど、ふとした区切りで画面を伏せたまま視線だけを落とし、
通知がないことを確認してしまう。
──やっぱり、まだ来てない。
少しだけ胸の奥が静かになるが、すぐに思考を仕事へ戻す。
しばらくして、営業部長が企画部のフロアに顔を出した。
「由奈さん、残ってくれてありがとう。
助かります」
「いえ。
ここ、表現を少し変えた方が誤解が出にくいと思います」
そう言って画面を示すと、営業部長は納得したようにうなずいた。
「さすがだね。
この案件、任せて正解だった」
その言葉に、由奈はほんの少しだけ背筋を伸ばす。
時計を見ると、すでに20時を回っていた。
窓の外はすっかり暗い。
疲れはある。
でも、不思議と心はざわついていない。
今は、やるべきことがはっきりしているから。
由奈はもう一度キーボードに指を置き、
静かなオフィスで、資料の最終行を整え始めた。
I「残業終わって、由奈はスイーツを買う?買わずに帰る?高橋 恒一からの連絡はまだこない。 」
A「この日の由奈は――
スイーツを買わずに、まっすぐ帰ると思う。
理由は単純だけれど、由奈らしい。」
残業を終えて会社を出たとき、時計はもう21時近かった。
ビルの外に出ると、夜風がひんやりしていて、頭が少しだけ冴える。
いつもなら、
「今日も頑張ったし」
「甘いもの食べて切り替えよう」
と、自然にデパ地下へ足が向く時間帯。
でも、この日は違った。
鞄を持ち替えた由奈は、エスカレーターの方向を一瞬だけ見る。
そこに行けば、いつものケーキ屋があって、
ショーケースの灯りがあって、
“今日を終わらせる味”が待っている。
それでも、足は動かなかった。
理由ははっきりしている。
疲れていないわけじゃない。
むしろ、体はちゃんと疲れている。
でも、心が「甘いもので埋めたい」状態ではなかった。
高橋恒一からの連絡は、まだ来ていない。
スマホを取り出して確認することもなく、
「来てない」という事実を、もう分かっている。
由奈は自分でも少し意外に思いながら、
そのまま駅の改札へ向かう。
「……今日は、いいかな」
小さく、誰にでもなく呟く。
スイーツを買わない=我慢、ではない。
今日は、甘さよりも、静けさが欲しかった。
電車に揺られながら、窓に映る自分の顔を見る。
仕事を終えた後の、少し疲れた顔。
でも、どこか考え込んでいる目。
「連絡が来たら、来たで考えよう」
「来なかったら……それも、現実だし」
そう思おうとしている自分に、由奈は気づく。
家に帰ったら、シャワーを浴びて、
部屋着に着替えて、
たぶん、そのまま布団に入る。
甘いものがなくても、今日はそれでいい。
この夜の由奈は、
“ご褒美で自分をなだめる”のではなく、
静かに今日を受け取ることを選んだ夜だった。
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