橘美月シリーズ大学編_#22「やっぱあれ、美月やんな?」「……地味」美月CM出演で揺れる

橘美月シリーズは女子会もので、美月さんが大学生 (アップしている段階で阪大・薬・4年) の設定なので、本編とは別に美月さんの友達を作り、大学側も絡められるようにしておきましょう。メイド服などのありそうな服はメインモデルたちはある程度着てしまったので、サブのモデルを追加する意図があります笑

前回:「え、誰?」前期が終わって美月を認知した二人の女

I「橘美月×笑顔×ストバス。プロンプトはこちら

I「良いね。ここで美月のCMについて掘ってみよう。栞の父親の製薬会社のテレビCMのスポット枠 (全国)で主役として出演。一般人なので、1回25万円くらい。実は制作側が万博コスプレイベントの時に美月をスカウトした芸能関係者と面識があり、その人が栞の父親と知り合いということで、大人の中で内内で企画が立ち上がって、一般人だけど主役抜擢された笑。美月としては、栞の父親からの以来だし、という理由と割が良いので受けた笑。こんな感じでどうかな?撮影が9月頭、企画自体が早い段階で上がっていたなら、放送はいつくらいになるだろう?

A

かなり自然。
しかもこの流れにすると、

「美月が芸能界に行かない理由」

まで綺麗につながる。


■ CM企画の成立経路

これ、かなりリアル。


発端

万博コスプレイベント。


制作側 or 芸能関係者:


「一般人であれは強い」


を認識。

特に:

  • 身体能力
  • 空気感
  • “作ってない自然さ”

が珍しい。


■ でも美月本人は

芸能欲がない。


なので普通なら流れる。


ところが:

栞父が接続点になる


ここがめちゃくちゃ強い。


■ 栞父の立場

大手製薬会社R&D部長。

つまり:

  • 社内信用ある
  • 企画部と繋がる
  • 広報とも接点ある
  • 「知的・清潔感」系イメージを好む

ので、


“本物の一般人感”


をCMに欲しがる。


■ 美月が選ばれる理由

美月って、


  • 清潔感
  • 誠実
  • 知性
  • 親しみ
  • 健康感
  • 透明感

全部ある。


しかも、

“芸能人っぽくない”


ここが薬系CMと相性良い。


例えば:

  • 医療
  • 健康
  • 家族
  • 生活
  • 未来
  • 信頼

系CMに刺さる。


■ 美月の動機

ここも非常に美月らしい。


「栞のお父さんの頼み」



「時給換算するとかなり良い」


(笑)


これ。


美月って、

“合理性”で動く


んだよね。


でも:

  • 断り切れない情
  • 恩返し意識
  • 信頼関係

もある。


だから:


「まあ1回だけなら」


になる。


■ ギャラ25万円

かなりリアル。


全国スポットでも、

一般人・単発・非芸能所属

ならそのくらいあり得る。


むしろ、


「学生にはかなり大金」


なのが重要。


美月、


「家庭教師かなり休める……」


とか思ってそう(笑)


■ 撮影9月頭の場合

ここかなり業界っぽく整理できる。


① CM企画立案

7〜8月


栞父+制作側+広告代理店。


② 美月接触

8月中〜下旬


広島帰省中に連絡。


③ 撮影

9月頭


夏終わり。


④ 編集・審査

2〜4週間


⑤ 放送開始

10月頭〜中旬

くらいが自然。


■ ここ重要

後期始まって、


「え、橘美月?」


が発生する。


つまり:

  • 学内
  • バイト先
  • 理央
  • 男子

全部ざわつく。


■ 特に理央へのダメージ

かなり大きい。


理央は:

“努力して前に出るタイプ”


なのに、


美月は:

  • すっぴん
  • 無欲
  • 自然体
  • 流れ

で全国CM。


しかも、


「本人はそこまで重く受け止めてない」


これが刺さる。


■ 葵(C7)の反応

葵はたぶん:


「え、あの橘さん!?」


になる。


しかも、


彩音:
「美月料理も上手いで」


とか追加情報が来る。


👉 情報量がおかしい。


■ 男子側の反応

健太:
「いや前から強かったけど全国かよ」


橋本:
「まあ、そりゃ選ばれるよな」


坂井:
「映像映えはしてた」


直人:
「一般人なの意味わからん」


みたいになる。


■ 美優への影響

これもかなり大きい。


美優からすると、


「何も狙ってない美月が、また前に行った」


に見える。


しかも:

  • 自分は頑張って垢抜け
  • バイト
  • 恋愛
  • 語学

をやってる。


なのに、


美月は自然体で全国CM。


ここでさらに:


「なんであの人そんなに強いの……」


になる。


■ でも本質は

美月って、

“積み上げた信頼”で仕事が来てる


んだよね。


  • 栞父
  • 教員
  • 大人
  • 周囲

全部、


「橘美月なら大丈夫」


で繋がってる。


だから芸能スカウトじゃなく、


“大人の推薦”


でCMに行くのが美月らしい。

I「良いね。美月が出ているCM、この画像のようなシーンどうだろう?万博コスプレを認知している大人が企画に関わっているので、美月が動けることが知られているので、身体能力とかパフォーマンス寄りで構成された笑。CMの中で、美月はバスケで自分よりずっと大きい選手をドリブルで抜いて、ジャンプ→トリックシュートと披露している笑 (エキストラ出演の相手役は本気で抜かれて、本音で驚いている笑)。あとは歌かどうかはともかく、商品名とか何かしらを「声」を使ってPRする的な。どうだろう?

A

かなり良い。
しかもこの方向にすると、

「薬会社のCMなのに、なぜかスポーツ演出が強い」

という“印象に残るCM”になる。

そして何より、


「橘美月という人間の強み」

がめちゃくちゃ出る。


■ このCMの本質

普通の製薬CMって:

  • 優しい
  • 清潔感
  • 微笑む
  • 飲む
  • 家族

方向に行きがち。


でも今回は、

「健康=生きる力」

方向へ振ってる。


だから、


“動ける一般人”


である美月が刺さる。


■ 制作側の狙い

万博コスプレ回を見てる大人たちは、


「この子、映像映えする」


を理解してる。


しかも:

  • 顔だけじゃない
  • 身体能力ある
  • 表情動く
  • 声通る
  • 空気持てる

👉 CM映像としてかなり強い。


■ バスケ演出

これめちゃくちゃ良い。


美月が「本当に動ける」


から、


  • ワイヤー感ない
  • 嘘っぽくない
  • 運動神経が自然
  • 着地まで綺麗

になる。


■ 相手役が本気で驚いてる

ここ超リアル。


撮影現場で、


「え、今のマジで入れた?」


ってなる。


特に:

  • ドリブル突破
  • フェイント
  • 空中姿勢
  • リリース

が綺麗。


制作側、


「一般人じゃないだろこの子」


になる(笑)


■ CM構成イメージ

かなりありそう。


前半

夏の屋外コート。


美月:

  • 白ユニフォーム
  • ポニーテール
  • 笑顔

周囲:

  • 自分より大きい選手

■ プレイ

ドリブル突破。

ジャンプ。

トリックシュート。

歓声。


ここで:

“躍動感”


を見せる。


■ その後

カメラ寄り。

呼吸を整えながら、


「毎日を、ちゃんと動ける自分で。」


みたいな台詞。


あるいは、


商品名を
“声が通る感じで”言う。


■ 歌方面

これもかなりあり。

ただ、


“ガチ歌唱”

までは出さない方が逆に強い。


例えば:

  • ハミング
  • CMソング一節
  • ナレーション
  • 透明感ある声

程度。


すると、


「なんか声まで良い」


になる。


■ 美月の“声”

実はかなり強い要素。


  • 音感
  • 発声
  • 滑舌
  • 呼吸
  • リズム

全部教育受けてる。


だから:


“普通に喋ってるだけで聞きやすい”


んだよね。


■ 栞父がこれを見た反応

多分かなり満足してる。


「やっぱり橘さんで正解だった」


になる。


美月って、


“企業イメージを壊さない”


安心感ある。


■ 放送後の反応

ここ面白い。


学内

「あれ橘じゃね?」

「え、本人?」

「なんで全国CM出てんの?」


■ 葵

葵:


「え、あの人そんなタイプだったの!?」


になる。


しかも:

  • スポーツ
  • 爽やか
  • 声良い
  • 顔良い

でさらに混乱。


■ 理央

ここ刺さる。


理央って、

“努力して完成された人間”


なんだけど、


美月は:

  • 無欲
  • 自然体
  • スカウト断る
  • 普段すっぴん
  • 群れない

のに、


全国CMで躍動してる。


しかも、


「本人はあまり人生変わったと思ってない」


ここが効く。


■ 美優

かなり複雑。


  • 自分は頑張って垢抜け
  • 恋愛頑張って
  • バイトして
  • 不安抱えてる

のに、


美月は:

  • ノーメイク
  • ナチュラル
  • いつも通り

で全国CM。


でも、

「美月の過去」

を知ってるメンバーは、


ただ羨望では見れない。


ここがグループの深さになる。


■ 一番面白いの

CM見た一般視聴者は、


「爽やかなスポーツ女子大生」


くらいにしか思わない。


でも実際は:

  • 語学
  • 料理
  • 薬学
  • コスプレ
  • 身体能力
  • 人間関係

全部積み上がってる。


なのに本人は、


「1回25万だから割良かった」


くらいの感覚(笑)

かなり美月らしい。

I「良いね。10月に入って後期が始まり、授業が始まったころ、美月のCMが放送されたときの美月グループと九条理央、七沢葵の反応いこう。美月は特に気にしている様子はなく、割が良いから受けたみたいな態度。出始めてすぐは大体の人は気づいていなくて、美月を知っている人だけ「あれ?」という感じ。

美優は、実は「子供のころアイドルになりたかった」→でも芸能界の競争的な感じを家族から共有されて難しそうだなと迷っているうちに (気は優しめだろうし)、頭もよい方なので、勉強する方向にいったが、実は頭の良さを押せばもしかしてアイドルとか芸能方向もあるかも、くらいに思っていたようだ (そういう気持ちがあったから、真帆にコンカフェ等はどうなのか、と聞いた)。美優は美月のCMが放送されてすぐに見て、比較して泣く→次の日は体調不良と、体調不良とだけ皆に伝えて大学に来なかった (1日家でへこんでいて、連絡しても返事が遅い)。

ほぼ同じころ、理央、葵は彩音が言っていた美月ってどんな顔かと軽く挨拶。ここで、いつもの8人で会話していて、CMの話が話題に出る (美月は平常運転)。理央と葵は、二人とも美月が大学でノーメイクで持ってないというか女らしさを押してないことに驚く笑→家に帰って美月のCMを見て、家で驚く、みたいな。こんな感じで話をつくって。

A

10月最初の月曜日。
後期授業開始から数日。

まだ夏休みの空気が少し残るキャンパスで、薬学部棟の廊下には、久しぶりに顔を合わせる学生たちの声が響いていた。


昼休み。

いつものように、美月たち八人は学食近くのテーブルに集まっていた。

美月は相変わらず、

  • ノーメイク
  • アクセサリーなし
  • 黒髪ポニーテール
  • シンプルな白ニット
  • 黒スカート

という、“CM出演者感ゼロ”の姿で、黙々とサラダを食べていた。


「……なぁ」

健太がスマホを見ながら顔を上げる。

「やっぱあれ、美月やんな?」

「だからそうだって」

彩音が笑う。

「昨日うちのお母さんが気づいてた。“あんたの友達ちゃう?”って」

「気づく人は気づくよな」

橋本も苦笑する。


美月は味噌汁を飲みながら、

「そんな見る人いるんだ……」

と本気で不思議そうだった。


「いや全国CMだからな?」

直人が呆れる。

「しかも普通に目立つ構成だし」

「運動能力おかしいし」

坂井も頷く。


真帆がスマホを見せた。

そこには切り抜かれたCM動画。

屋外コート。

白ユニフォーム姿の美月。

長身選手を抜き去り、空中で身体を捻ってトリックシュートを決める。

歓声。

そして最後に、

『毎日を、ちゃんと動ける自分で。』

という透明感のある声。


「……改めて見ると意味わからんな」

健太が言う。

「お前、なんで一般人なん?」

「一般人だよ?」

美月は本気でそう返す。


「いや、“一般人の動き”じゃないんよ」

橋本が笑う。


美月は少し考えてから、

「まあ……体育の先生にかなり教えてもらったから」

と平然。


「いやそれ毎回言うけどレベルおかしいからな?」

彩音が突っ込む。


美月は少し首を傾げる。

「でも、割良かったし」

「またそれ言う!」

彩音が机を叩いて笑う。


その頃。

同じ学食の少し離れた席。

九条理央と七沢葵が、彩音に軽く手を振って近づいてきた。


「小川ー」

「あ、葵」

彩音が振り返る。

理央もその横にいた。

ネイビーのブラウスに細いアクセサリー。

洗練された雰囲気。

周囲の男子がちらちら見ている。


「この前言ってた橘さんって……」

葵が何気なく視線を向ける。

そこで初めて、

理央と葵は、美月を正面から認識した。


最初の感想は、

「……地味」

だった。


いや、顔は整っている。

かなり整っている。

でも、

  • 化粧感がない
  • ブランド感がない
  • “盛ってる”感じがない
  • 芸能っぽくない

ので、

理央も葵も、一瞬“普通の真面目な子”に見えた。


「橘美月です」

美月は普通に頭を下げる。

「あ、七沢葵。よろしく」

「九条理央です」

理央も笑顔を作る。


だが二人とも、

内心かなり混乱していた。


(この人が……全S?)

(彩音が言ってたスカウトされた人?)


しかも。

次の瞬間。

健太が悪ノリで言った。


「そういやCMまた流れてたで」


理央と葵が同時に止まる。


「……CM?」

理央が聞き返す。


「あれ、知らんかった?」

彩音がスマホを取り出す。

「これこれ」


再生。


数秒後。

理央と葵は固まった。


画面の中では、

美月が笑いながら空中でシュートを決めていた。

ポニーテールが跳ねる。

歓声。

声。

躍動感。


そして最後。

カメラへ振り向く美月。

透明感。


学食でサラダ食べてる今の美月と、

まるで一致しない。


「……え?」

葵が本気で言った。


理央も言葉を失う。


(これが……橘美月?)


しかも、

本人は横で、

「なんか恥ずかしいから消して」

と言いながら普通に唐揚げを食べている。


その夜。


七沢葵の部屋

葵はベッドの上で、もう一度CMを見ていた。

スマホの画面。

止める。

再生。

止める。


「……いや、なんなんこの人」

思わず呟く。


大学では:

  • すっぴん
  • 地味
  • 静か
  • 普通

なのに。

CMでは、

  • 華がある
  • 声が通る
  • 動ける
  • 主役感がある

葵は鏡を見る。

自分の巻き髪。

ネイル。

メイク。

努力して作った“大学生女子”。


なのに。

橘美月は、

“何もしてないように見えて全部持ってる”

ように見えた。


同じ頃。


九条理央の部屋

理央もCMを見ていた。

無音で。

繰り返し。


理央はこれまで、

「努力して勝つ」

人生だった。


勉強。

容姿。

振る舞い。

人間関係。

全部。


だが橘美月は、

まるで競争に参加していない。

なのに、

全国CMの主役に立っている。


しかも。

大学では。

本当に。

全く気負っていない。


理央は静かにスマホを置く。


「……面白くなってきた」


その頃。


川崎美優の部屋

カーテンは閉まっていた。

スマホには大量の通知。


“体調大丈夫?”

“無理すんなよ”

“薬いる?”


グループLINE。

既読はつける。

返事は遅い。


美優は布団の中で泣いていた。


CMを見た瞬間。

全部思い出した。


子供のころ。

アイドルになりたかったこと。


でも、

  • 芸能界は怖い
  • 競争が激しい
  • 傷つく

と親に言われたこと。


自分は、

勉強もできるし、

語学もあるし、

もしかしたら芸能も少しは――

と思っていたこと。


でも。

橘美月は。

何も狙っていないのに。

自然体のまま。

全国CMの中心に立っていた。


美優は涙を拭う。


そこへ、

真帆からメッセージ。


『無理に返さんでいい』

『でも一人で抱え込むな』


美優はしばらく画面を見つめる。

そして、

少し時間を置いて、

短く返した。


『……ありがとう』


それだけだった。

I「良いね。美月CM発覚回の続きのエピソードを作って。翌日、九条理央と七沢葵は、美月にコンタクトを取る。この日は美優はくるが、表情が暗く (前日体調不良というのもそれらしいか)、そして美月と目を合わせない。いつも通り授業があり、授業後の昼休み時間に、美月たちはいつもの9人の面々で集まっているところに、九条理央と七沢葵が訪れる。美月は相変わらずの通常運転、ノーメイクアクセサリーなしの男モテする気のない服笑。九条理央の周りには男性が二人。美月に挨拶してCM凄いと声をかける。そして七沢が恋人いるの?→美月「今はいない」→七「探してる?」→美月「今はそんな気はない」→七「合コン、ナイトクラブ等の出会いの場を誘う」→美月「いかない」→理央の周りの男→美月に声をかけてみる→美月あしらう→健太「週末彩音の家で飲み会しよう」→美月「行く」→みんなでご飯にフェードアウト。理央、葵、ぽかん (美月は全く意に返していない)。しかし美優が残り、この二人に声をかける。美優からすれば、美月にコンプレックスを感じてへこんでいた後、この二人はある意味都会的な女性の成功例的な感じで輝いて見えた (+美月とは別ベクトルなので、対抗意識もあって、こちらに気持ちが動いた)。いつもの8人で食事、美優は病みあがりなのでこない、という感じ。なお美月も含めてほとんどのメンバーは美優を心配している。美優は葵、理央らのグループと一緒に美月たちとは別の場所で食事。これでエピソードをつくってみて。

A

翌日。

美優は大学に来ていた。

ただ、明らかに元気がない。


  • メイクはしている
  • 髪も整っている
  • 服もちゃんとしている

でも、

“目”

が死んでいた。


彩音が最初に気づく。

「……大丈夫?」

「うん、昨日ちょっと熱っぽくて」

美優は笑う。

だが、その笑顔が少し固い。


そして何より、

美優が美月を見ない。


美月は特に気にした様子もなく、

「無理しないでね」

と普通に言う。

その“普通さ”が、逆に美優には刺さった。


昼休み。

いつものように九人が集まっていた。

  • 美月
  • 彩音
  • 真帆
  • 美優
  • 健太
  • 橋本
  • 坂井
  • 直人

直人は例によってドイツ人彼女との写真を見せていて、

「いやだからこの神社、“君の名は。”感あるって」

「お前それ全部アニメ基準やん」

健太が笑う。


その時。

少し周囲の空気が変わった。


「小川ー」

七沢葵だった。

その横には九条理央。

さらに後ろには男子が二人。


理央は今日も完成度が高い。

  • 艶のある髪
  • 控えめな香水
  • 洗練された服
  • 細いアクセサリー

周囲の男子が自然と視線を向ける。


「橘さん、だよね?」

葵が笑顔で声をかける。


「はい」

美月は普通に返す。


「CM見た!」

「すごかったー!」

葵はかなりテンション高めだった。


「ありがとうございます」

美月は軽く頭を下げる。


理央も微笑む。

「全国CMって普通にすごいよ」

「たまたまです」

「たまたまで全国は行かないと思うけど」


だが。

美月は本当に困った顔をするだけだった。


「栞のお父さんの会社の関係で……」

「へぇー」

葵が美月を観察するように見る。


  • ノーメイク
  • アクセなし
  • シンプル服
  • 黒髪ポニーテール

(……この人ほんまにCM出た人?)


葵は混乱していた。


そこで。

葵が軽いノリで聞く。


「橘さんって彼氏いるの?」


「今はいないです」

美月は即答。


「え、探してないの?」

「今は別に……」

「合コンとか来ればいいのに」

「行かないです」

「クラブとかは?」

「行かないです」


あまりにも迷いがない。


「えー、もったいな!」

葵が笑う。


すると後ろにいた男子の一人が前に出た。

理央の周りをうろついている“理央界隈男子”だった。


「橘さんってめっちゃモテそうだよね」

「そんなことないです」

「いや絶対あるって」

「ないです」

「今度飯とか――」


「行かないです」


早い。

しかも無表情。


場が一瞬静まる。


健太が吹き出した。

「はっや」

橋本も笑う。

「今のゼロコンマやったな」


男子は苦笑しながら引く。

理央はその様子を静かに見ていた。


(……この人、“男に価値を感じてない”)


それが理央には分かった。


普通なら:

  • CM
  • 美人
  • 男子からの誘い

で空気が少し変わる。

でも美月は、

本当に興味がない。


その時。

健太が空気を変えるように言った。


「そういや今週末、彩音ん家でまた飲み会しよーや」

「行く」

美月が即答。


「合コンよりそっちなん!?」

葵が思わず言う。


美月は少し考えてから、

「そっちのほうが楽しいので」

と普通に返した。


理央と葵はぽかんとしていた。


そして。

自然な流れで、

「じゃ、飯行くかー」

と健太が立ち上がる。


美月たち八人は、

いつもの空気のまま、

笑いながら食堂の奥へ移動していく。


理央と葵は、その背中を見送った。


「……なんなん、あの人」

葵が小声で言う。


理央も答えられない。


CM。

全国放送。

美貌。

運動能力。

歌。

なのに、


“大学の友達との飲み会”のほうを優先する。


理解不能だった。


その時。

後ろから声がした。


「……あの」


振り返る。

川崎美優だった。


「一緒に、ご飯……行ってもいい?」


葵は少し驚く。

だがすぐ笑顔になる。


「もちろん!」


理央も微笑んだ。

「来る?」


美優は頷く。


そして。

美優は一度だけ、

遠くの美月たちを見る。


笑っている。

自然体。

いつも通り。


その姿が今の美優には眩しすぎた。


だから。

目を逸らした。


数十分後。


美月たち側

いつもの食堂。


「絶対川崎無理してるよな」

真帆が言う。


「昨日から変やし」

彩音も眉を寄せる。


橋本も頷く。

「かなり落ち込んでそう」


美月は静かにお茶を飲んでいた。


「……川崎さん、頑張りすぎるから」


その言い方は、

責めるでもなく、

哀れむでもなく、

ただ本当に心配している声だった。


一方。


理央・葵側

少しおしゃれな学外カフェ。


美優はそこにいた。


  • 理央
  • 男子数人

会話は、

  • 合コン
  • インスタ
  • クラブ
  • バイト
  • モテる男
  • 東京

美優にとって、

“大学生っぽい世界”

だった。


そして美優は思う。


(……こっちの方が、普通なのかも)


でも。

同時に。


どこか落ち着かなかった。

次回:(……なんなんだろ、あの人)実習と、このグループの空気

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