橘美月シリーズ大学編_#34「奇妙な共闘関係」陰口・印象操作で場をかき回す人物が動く。

橘美月シリーズは女子会もので、美月さんが大学生 (アップしている段階で阪大・薬・4年) の設定なので、本編とは別に美月さんの友達を作り、大学側も絡められるようにしておきましょう。メイド服などのありそうな服はメインモデルたちはある程度着てしまったので、サブのモデルを追加する意図があります笑

前回:「サ界」のためにフットサルに参加する美月。(……あの人が。楓花。)とミスコンを見据える理央。

I「橘美月×プレゼン。プロンプトはこちら

I「良いね。ここまでの登場人物はほぼ全員健全 (多少ふざけたりする要素で原田、平野、畠中らが入るくらい)、ミスコンの登場人物で健全な参加をしてる人ばかりなので、スパイスを加える意味で、より昼ドラチックに悪口をいうとか、噂を流すとか、そういうキャラを投入しよう。 

名前は「白鳥姫華」、3年生の経済 (学年的には楓花と同学年で、前年は4位で楓花より順位は下、成績は中位くらい、容姿はそこそこ)。所謂オタサーの姫タイプ。いくつかのサークルに参加しているが、主に活動しているのは、写真サークルとオカルトサークル。実は理央とはサークルのオーバーラップがある (今後マッチアップあり)。ちなみに、フットサルでは楓花がいて姫にはなれなかったので、それは不快だからと離れた。ある意味理央も姫ポジションではあるけど、理央は正面から戦って実力勝負で勝ちたいタイプ。姫華の場合は、周りからちやほやされて、自分は特別だ、と思っている感じ。授業とかでも周りのメンズなどのサポートで得をしている感じ。私は特別、と思っている感じ。自己顕示欲が強いというか、自分が一番とか主役じゃないと嫌 (というか露骨に嫌な態度をする) みたいな感じ。表向きはぶりっ子にするとか、そういうある意味男受けみたいなのを狙うところがある。1年からミスコンに出ているが、だいたい上位候補の悪い噂を周りの学生に流させたりとかして、他の候補の足を引っ張るようなことをしていた (あくまで大学生なので、犯罪にならない程度)。

今年の姫華の順位は現時点で8位、少し前に理央に抜かれた。理央の動画で理央を応援するコメントが多く、理央が上がってきている。それに対してみっともない(意訳) みたいな悪口や批判系のコメントを周りの男たちを通じてコメントをつけさせていた。姫華は楓花、美月、理央など、自分より上にいる候補のことを面白く思っていない。どうやって落としてやろう、みたいなことを考えている。美月に関しても、「性にだらしない」→授業おわったらだいたいすぐ帰るから。「成績は教員との癒着」みたいな、根拠のない噂を流そうとしたが、成績については教員側 (大学公式) から正式に美月の成績は不正のない正当なものである (意訳) との表明があり、サ界でのライブの様子やフットサルのパフォーマンスやCMなどを考えると、それは違うんじゃないの、という擁護意見がSNSに多く、姫華的には面白くないようだ (妨害、嫌がらせ、悪い噂が効いてない)。ちなみに美優の動画については知っているが、自分のほうが順位が明らかに上なので気にしていない。

なお、美月のノーメイク、アクセサリーなし、というのはそういう外面の競争とかに付き合いたくないから、というのもあるみたい。学校の顔みたいな扱いを受け続けて教師ら大人からの期待にこたえてきたから、ちょっとしたこと (例えばこういう服をきた、アクセサリーをつけたつけない) みたいなしょうもない部分も注目されたり言われたりするので、そういう競争みたいな舞台というか、万人受けするモテとかちやほやされるみたいな土俵からは離れたいからそうなっているところがある。仲のいい一部の人達と深い関係を作るほうが優先、という考え (そういう人からは美月のメイクやアクセサリーとか服がおしゃれかどうかとか、そういう要素は影響はほぼないので)。対して、理央、美優、姫華は万人受けするモテやちやほやみたいなのが欲しい感じ。楓花は意図せずしてそれを持っている、みたいなところだろうか。ここまでをエピソードにしてみて (時間軸は月曜の夜のまま)。

A

この設定は、「理央とは違うライバル軸」を入れられるので物語としてかなり面白くなります。

今までの登場人物は、原田・畠中・平野ですら基本的には「悪ふざけはするけど根は悪人ではない」でした。なので、美優が苦しんでも「結果的にそうなってしまった」ケースが多く、悪意を持って場をかき回す人物はいませんでした。

白鳥姫華は、その役割を担えます。

ただし、犯罪や名誉毀損レベルではなく、
「大学生にありがちな陰口・印象操作・SNSでの空気作り」
くらいに留めると世界観を壊さずに済みます。


月曜日 夜

その頃。

大学近くのマンション。

白鳥姫華はベッドに寝転びながらスマホを眺めていた。

画面にはミスコンサイト。

順位。

SNS。

コメント。

一つ一つ確認していく。

「……。」

「また?」

理央。

順位上昇。

ここ数日で一気に票を伸ばしていた。

理由は分かっている。

あの動画。

『九条理央さん、今年のミスコンで優勝するそうです』

最初は笑いものになると思っていた。

ところが。

コメント欄。

「頑張ってるじゃん。」

「応援したくなった。」

「負けず嫌い好き。」

「あのくらい熱い人の方が面白い。」

思った方向とは逆に転んでいた。

姫華は眉をしかめる。

「……なんで。」

「応援されるの。」

小さく舌打ちした。


さらにスクロール。

橘美月。

一位。

コメントは。

「CMの子。」

「歌すごかった。」

「サ界最高。」

「またライブ見たい。」

「普通にプロだった。」

姫華は鼻で笑う。

「歌。」

「CM。」

「話題作り。」

そう呟く。


ここ数日、

姫華は周囲の男子に、

それとなく噂を流していた。

「橘さんって授業終わるとすぐ帰るよね。」

「男の家とか行ってるんじゃない?」

「なんか教員に気に入られてるって聞いた。」

「成績も出来すぎじゃない?」

どれも根拠はない。

「らしいよ。」

「って聞いた。」

その程度。

本人が言ったとは分からないように。

いつものやり方だった。


しかし。

今回は違った。

SNSでは。

すぐ反論が付く。

「ライブ見た?」

「歌だけで本物。」

「CMも普通にうまかった。」

「フットサル見たら努力してるの分かる。」

「教員が公式に不正否定してる。」

さらには、

大学公式からも、

「成績評価は規程に基づき厳正に実施されている」

という趣旨の案内まで出てしまった。

姫華はスマホを放り投げる。

「……。」

「つまんない。」


昔は、

これで崩れた。

一年。

二年。

上位候補の空気を悪くする。

噂を流す。

少し印象を落とす。

そうやって順位を上げてきた。

でも。

今年は違う。

楓花。

橘美月。

九条理央。

効かない候補が多い。


「……。」

「なんなの。」

「今年。」


一方で。

川崎美優。

順位は下。

動画も見た。

泣いている。

そして今日、

前向きな動画を出した。

姫華は一度だけ見て閉じた。

「この子は。」

「別にいい。」

順位も離れている。

脅威ではない。

今気にする必要はない。


そして。

楓花。

順位二位。

コメント欄。

「今年も楓花さん。」

「安心感。」

「人柄が好き。」

「話しかけやすい。」

姫華は画面を見つめる。

「……。」

「いい子ぶって。」

小さく吐き捨てる。

だが。

自分でも分かっている。

楓花は演技ではない。

だから強い。

それが余計に腹立たしい。


理央。

現在七位。

姫華。

八位。

とうとう抜かれた。

「……。」

「絶対。」

「抜き返す。」


理央は正面から勝とうとする。

楓花は自然に人気を集める。

美月は話題性を持っている。

美優は努力を始めた。

姫華だけが違う。

「……。」

「勝てば。」

「何でもいい。」

その考えだけは、

昔から変わらない。


その頃。

美月は自宅。

長風呂を終え、

髪を乾かしながら、

「明日の家庭教師の教材どうしようかな。」

そんなことだけを考えていた。

ノーメイク。

アクセサリーなし。

それは「着飾れない」のではない。

中高時代から、

学校の広告塔のように扱われ、

制服の着方一つ、

髪型一つ、

「学校の代表だから」と周囲から見られ続けてきた。

スポーツでも。

音楽でも。

学業でも。

「期待される側」でいることが当たり前だった。

だからこそ、

大学ではそうした競争から少し距離を置きたかった。

誰にモテるか。

誰より目立つか。

アクセサリーがどう。

メイクがどう。

そういう土俵には、もう疲れていた。

美月が欲しかったのは、

「みんなに好かれること」ではない。

今の健太たちのように、

気を遣わず笑い合える少数の仲間だった。

そのため、ミスコンも「学園祭を盛り上げる一企画」、サ界は「友達の企画を成功させるための活動」という認識でしかない。

一方で理央、美優、姫華は、それぞれ形は違えど「多くの人から認められたい」「選ばれたい」という思いを持っている。

そして楓花は、そのどちらも意識していないのに、人が自然と集まってくる。

月曜の夜。

同じ大学に通いながら、それぞれがまったく違う価値観を胸に、次の日へ向けて静かに準備を進めていた。

I「良いね。火曜朝、理央は久々にボランティアサークルに顔を出した。ミスコンの順位をあげる活動の一環だった。ところが、その場に白鳥姫華が居合わせていた。姫華のほうが先輩、取り巻きと思しき男性らにミスコンの応援を頼んでいた。姫華がちやほやされているような感じ。理央はここで挨拶するも、理央の悪いうわさが流されており、理央は違うと食って掛かる。姫華は表向きは良い人対応 (裏でそういう噂を流したのは姫華)。理央はその場で口喧嘩のように食って掛かる (今回もヒートアップしたら動画になった件のように息をきらして食って掛かる)。

橋本、健太らは火曜の朝に、楓花から姫華には気をつけろ、ということをシェアされる。美月は特に意識していないようだ。この日、授業では理央がなにか噛み合ってないようにいつもと調子が違う感じ。葵、林や宮脇が心配して理央に声をかけるが、理央は強がって大丈夫と答える。美月に食って掛かるとは違う感じ。美月も心配そう。この日、原田らも理央と美月をマッチアップさせようと思っていたが、理央が本調子ではなさそうなので、今日は美優が前日に動画をだしたこともあったので、美優に絡んでいた (茶化す感じではあるが、ふざけているだけで美優を攻撃したりかき乱すような感じではない、せっかくミスコンにでるんだから同じ学年にもっとアピールしなよ、みたいな感じ)。

そのまま特に大きなことは起こらず授業が終わり、健太、橋本、美月がフットサルサークルへ。ここで、普段ほとんど顔をださない男性が美月とフットサルしたいみたいな感じで入ってくる (美月は動けるので、今回も男性側に混ぜられている)。フットサルサークルとしては、楓花の件でそういうのは慣れているので、久々に来るメンバーは美月や楓花とはマッチアップを外すようにしていた。ここで、そういう男性がわざと外から美月にぶつかりにいくようなラフプレーのような (同じコートにいるわけではない、明らかに関係ないのに外から入ってくる状態) 感じで美月に迫るが、美月は自然な動きでその目論見を外して、何事もなかったのようにプレイしていた (これは単に美月がうまい)。美月はスポーツでも「自分が目立ちたい」という感じはない選手でアスリートとして能力が高いタイプでは珍しい傾向。視野が広く、空間認識能力やアジリティが高いので、自分に引き付けてかわすとか、うまくパスを通すとか、間を縫って一気に抜くような動きが強い (ので県選抜でPGのスタメン、レギュラー、1枚目の枠になった)。そこでその男性が周りから囲まれて、練習を強制離脱させられることになる。サークルの上級生らは、「またか」「例の」みたいな反応になった。ここまでを踏まえてエピソードを作って。

A

火曜日・早朝

大学構内――ボランティアサークル部室

この日は理央が珍しく朝早くからサークルに来ていた。

(……少しでも知ってもらわないと。)

楓花を見て考えた答え。

「コミュニティを広げる。」

その第一歩だった。


「おはようございます。」

部室に入ると、

既に十数人ほど集まっていた。

その中心には、

白鳥姫華。

「姫華ちゃん!」

「今度のミスコン頑張って!」

「もちろん応援する!」

姫華はいつものぶりっ子気味の笑顔で手を振る。

「ありがと~♡」

「みんなが応援してくれるから頑張れる~。」

取り巻きの男子が自然と周りを囲っていた。


理央は少しだけ眉を動かした。

(……。)

(こういう感じか。)

そこへ姫華が理央に気付く。

「あっ♡」

「九条ちゃん、おはよう。」

表情だけ見れば、

優しい先輩だった。


「おはようございます。」

理央も頭を下げる。

しかし、

その直後だった。

近くにいた男子が何気なく言う。

「九条さんって。」

「最近すぐ人に食って掛かるらしいね。」

「動画見たよ。」

「ちょっと怖かった。」

理央の表情が変わる。

「……。」

「違います。」

男子は困ったように笑う。

「え?」

「でも結構みんな言ってるよ?」


理央はすぐ気付いた。

(誰か。)

(流してる。)

しかも、

元の動画ではなく、

「すぐ感情的になる人」

という印象だけが独り歩きしている。


理央は姫華を見る。

「先輩。」

「これ。」

「誰が言ってるんですか。」

姫華は驚いたような顔を作る。

「えっ?」

「知らないよ?」

「でも噂って止められないもんね。」

その笑顔が、

理央には妙に引っ掛かった。


「違います。」

「私は。」

「ちゃんと理由があって——」

理央の呼吸が少し速くなる。

「動画だけ見て決めつけるのは違います!」

姫華は少し困ったような顔。

「九条ちゃん。」

「落ち着いて?」

「みんな悪気はないんだから。」

「私はそんな風に思ってないよ?」

その言葉が、

余計に理央を苛立たせた。

「でも!」

「先輩は——」

途中で言葉を止める。

証拠はない。

姫華は最後まで、

"優しい先輩"を演じ切った。

周囲から見ると、

興奮しているのは理央だけだった。


理央は拳を握る。

「……失礼します。」

部室を出る。

姫華は男子たちへ笑顔。

「若い子って元気だね。」

取り巻きも苦笑いしていた。

その誰も、

姫華自身が噂の出所だとは思っていなかった。


同じころ

橋本のスマホが鳴る。

楓花からメッセージ。

「美月ちゃんが関わるかもしれないから一応。」

「白鳥姫華さんには少し気を付けて。」

「悪い子じゃないって言う人もいるけど、噂話とか印象操作が上手いタイプだから。」

橋本は眉を上げる。

「……。」

健太にも転送。

健太は読んで、

「あー。」

「こういうタイプか。」

と呟く。

美月も画面を見る。

「そうなんだ。」

それだけだった。

健太が笑う。

「橘。」

「反応薄いな(笑)」

美月は首を傾げる。

「今まで接点ないし。」

「何かされたら考える。」

橋本が苦笑いした。

「まあ。」

「橘らしい。」


午前の授業

理央は明らかに様子がおかしかった。

いつもの勢いがない。

ノートを取る手も止まる。

ぼーっとする時間が増える。


葵が小声で聞く。

「理央。」

「大丈夫?」

「……うん。」

返事は早い。

でも、

目は笑っていない。


林も心配そうだった。

「朝なんかあった?」

「大丈夫。」

宮脇も頷く。

「無理すんなよ。」

理央は笑顔を作る。

「ほんと平気。」

しかし、

誰が見ても空元気だった。


美月も気付いていた。

(九条さん。)

(今日は静かだな。)

何かあったのかな。

その程度だった。


一方。

原田、平野、畠中。

今日は理央をいじる空気ではない。

原田が笑う。

「今日はやめとくか。」

「元気ない。」

平野も頷く。

「かわり。」

「川崎さん。」


昼休み。

「川崎さん!」

美優が振り向く。

「動画見た。」

「良かったやん。」

「もっとアピールせな!」

「ミスコンやろ?」

美優は少し照れる。

「……ありがとう。」

以前なら固まっていた。

今日は違う。

少し笑って返せた。

彩音が横で親指を立てる。

「ええやん!」

真帆も微笑む。

「昨日頑張ったもんね。」

原田たちも、

今日は本当に茶化しているだけだった。


放課後

フットサルサークル。

今日も見学者が多い。

昨日の噂がもう広がっていた。

「橘さん今日も来る。」

「CMの子。」

「歌の人。」

「フットサルも上手い。」


美月は昨日と同じ。

競技仕様。

長袖インナー。

ロングスパッツ。

アップ開始。


その時。

体育館の入口から、

普段ほとんど顔を出さない男子学生が入ってきた。

「あれ。」

「珍しい。」

「○○先輩や。」

上級生が顔を見合わせる。

(……また。)

そんな空気が流れる。


ゲーム開始。

美月は男性チーム。

いつも通り。

派手さはない。

視野。

パス。

切り返し。

流れるようにプレーしていた。


突然だった。

試合に関係ない位置から、

その男子学生がコートへ入り込む。

ボールとも関係ない。

明らかに美月へ向かってくる。

ぶつかる気だ。


しかし。

美月は気付いていないように見えて、

ほんの半歩だけ位置を変える。

自然。

本当に自然。

男子学生は空振り。

勢い余って前へ。

美月は何事もなかったように、

そのまま味方へパス。

プレー続行。


「……。」

「え?」

「今。」

「かわした?」

橋本は笑う。

「いや。」

「普通(笑)。」

健太も笑う。

「橘さん視野広いから。」

「見えてる。」


直後。

サークル代表の四年生が笛を吹く。

「ちょっとストップ。」

男子学生へ近付く。

「外。」

「今日は終わり。」

「え?」

「関係ない所から入るな。」

「危ない。」

さらに周囲の上級生も集まる。

「またか。」

「例の。」

「ほんまやめてくれ。」

どうやら、

楓花目当てなどで外から入り込み、

問題を起こす学生は過去にもいたらしい。

サークル側は対応に慣れていた。

男子学生は不満そうな顔をしながら、

そのまま体育館を後にした。


美月は状況がよく分かっていない。

橋本が聞く。

「大丈夫?」

「え?」

「何かあった?」

健太と橋本は顔を見合わせ、

苦笑いする。

「……。」

「気付いてない(笑)。」

美月は本当にプレーに集中していただけだった。

その様子に、サークルの先輩たちは「だからこの子は競技者なんだな」と改めて感じるのだった。

I「良いね。この日も美月は健太、橋本らとパフォーマンスの練習。周囲も美月どんなことをするか盛り上がるか悪乗り気味に楽しんでいる。対して、楓花は別サイドで場を盛り上げながらも、すこし心配そうな表情。今回の件は姫華だな、ということで。対して体育館を追い出された男性は姫華と連絡していて失敗したことを伝えて、姫華は不機嫌そう。学園祭の当日のステージに立てない状態になってほしいようだ。

次に理央はテニス系のサークルへ。やはりミスコンのPRをしようとするが、なぜか悪いうわさが流れていることが理央に伝えられる。そのサークルの人たちは、根も葉もないうわさだけど応援してるみたいな感じ。理央は普通にサークルを楽しんだ後、解散。その後、カフェに葵らと集まり、会話をしている。理央らは全員1年なので、姫華がそういうことをしていることを知らない。理央はペースを乱されて明らかにやりにくそうで、千佳らは理央に味方する雰囲気で、すこし調べてみる、みたいな感じ。

美月はフットサルサークルの練習後、家庭教師へ。そして風呂に入り (長風呂、湯につかる、その後作り置きのごはんを食べる)。美月は特に気にしていない (悪口とか、ラフプレーみたいなのも昔から向けられてきたので)。美月は寝る前に美優の家にいる彩音らと電話 (彩音らが心配して電話、ミスコンの候補の悪口が流されている、ということで)。美月はお礼を伝える。そして美月はサ界の企画を成功させたいということを彩音らに話している。美優はそれを聞いて複雑な気持ちになっている。ここまでをもとにエピソードをつくって。

A

放課後・フットサルサークル

体育館には、まださっきの空気が少しだけ残っていた。

しかし、それも長くは続かない。

橋本がパンパンと手を叩く。

「よし!」

「サ界タイムいこう!」

「今日は何やらせる?」

健太が笑う。

「橘さん。」

「今日はサービスデーや。」

周囲も悪乗りする。

「バック宙もう一回!」

「ムーンサルト!」

「サッカーボールで何かやって!」

「体育教師に仕込まれたやつ全部!」

美月は少し笑う。

「全部は無理ですよ。」

「じゃあできる範囲で。」

そんな返事をして、体育館中央へ。


橋本がボールを放る。

美月は軽くトラップ。

そこから身体をひねり、

リフティングを数回。

そのまま背中側へボールを流し、

振り返らずに踵で橋本へ返す。

「おーー!」

歓声。

健太が笑う。

「今の本番で使える!」

橋本も頷く。

「サ界の間奏これでいこう。」


次はマット。

「はい。」

「バック宙。」

美月は軽く助走。

何の力みもなく、

ふわっと一回転。

着地。

ピタッ。

拍手。

「体操選手やん!」

「これ大学生ちゃうやろ!」

さらに、

ムーンサルト。

ロンダート。

前宙。

どれも力任せではなく、

綺麗だった。


美月本人はというと、

周囲の歓声より、

「これサ界でどう見えるかな。」

「このタイミングなら歌と合うかな。」

そんなことばかり考えていた。

目立ちたいわけではない。

グループとして良いものを作りたい。

その一点だけだった。


一方その頃。

体育館の別コート。

楓花は一年生や二年生と輪になっていた。

笑顔。

雑談。

初心者にパスを教えたり、

ゲームを盛り上げたり。

いつもの楓花だった。

ただ、

ふと美月を見る。

(……。)

(今日のあれ。)

(姫華だろうな。)

去年まで何度か見た。

自分にも似たようなことがあった。

直接ではない。

でも、

「偶然」を装った嫌がらせ。

それを思い出していた。

橋本が戻ってくる。

「楓花。」

「どうした?」

楓花は小さく笑う。

「ううん。」

「ちょっと嫌な予感。」

橋本も表情を引き締めた。


体育館の外

追い出された男子学生は、

不満そうにスマホを取り出す。

「失敗。」

「普通に避けられた。」

すぐ返信。

白鳥姫華。

「使えない。」

それだけ。

続けて。

「本番までに出られなくなれば良かったのに。」

画面越しでも、

機嫌の悪さが伝わる。

男子学生は肩をすくめる。

「無理やって。」

「なんか普通に避けられた。」

返信はなかった。


一方・理央

夕方。

理央はテニスサークルへ。

こちらもミスコンPRの一環だった。

「久しぶり。」

「九条さん!」

歓迎ムード。

理央も少し安心した。


しかし。

練習前。

二年生が少し困ったように話す。

「そういや。」

「変な噂流れてるよ。」

理央が止まる。

「……え?」

「感情的。」

「人に食って掛かる。」

「そんな感じ。」

「もちろん。」

「俺らは違うと思ってるけど。」

「動画見たら切り取りっぽいし。」

別の女子学生も頷く。

「普通に応援してるよ。」

「気にしない方がいい。」

理央は笑顔を作る。

「ありがとうございます。」

しかし、

胸の奥は重かった。


練習そのものは楽しかった。

ラリー。

ダブルス。

笑い声。

終わる頃には少しだけ表情も戻っていた。


夜・カフェ

葵。

林。

宮脇。

千佳。

理央。

いつもの五人。

理央は今日の出来事を話した。

「……。」

「また噂。」

葵が眉をしかめる。

「誰なん。」

林も首をかしげる。

「一年じゃないよな。」

宮脇も頷く。

「こんなやり方する奴知らん。」

千佳だけが少し考え込む。

「……。」

「私。」

「実行委員とかサークル関係ちょっと調べてみる。」

「出どころくらいなら分かるかも。」

理央は少しだけ笑った。

「ありがとう。」


彼ら一年生はまだ知らない。

その裏に、

白鳥姫華がいることを。


同じ頃

美月は家庭教師のアルバイトを終え、

帰宅。

湯を張る。

ゆっくり浸かる。

「ふぅ……。」

一日の疲れが抜けていく。

その後。

作り置きのご飯。

味噌汁。

焼き魚。

小鉢。

質素だが栄養を考えた夕食。

食べ終わる頃、

スマホが鳴る。

彩音からだった。


「もしもし!」

「あ、美月?」

「今いい?」

「うん。」


彩音の横には、

真帆。

健太。

そして美優。

美優の部屋だった。

彩音が少し真面目な声になる。

「今日さ。」

「ミスコンの候補の悪口とか噂とか。」

「いろいろ出始めてる。」

「美月も気を付けて。」


美月は静かに頷く。

「教えてくれてありがとう。」

少し間を置いて、

穏やかに続けた。

「でも。」

「私は大丈夫。」

「昔から結構あったから。」

彩音たちは一瞬黙る。

美月は笑う。

「気にしないわけじゃないけど。」

「そういう人に合わせても疲れちゃうから。」

「それより。」

「サ界を成功させたい。」

その一言には迷いがなかった。


「坂井君が一生懸命準備して。」

「栞ちゃんも。」

「直人君も。」

「健太君も。」

「橋本君も。」

「彩音ちゃんも真帆ちゃんも。」

「みんな頑張ってるから。」

「それをちゃんと形にしたい。」

彩音は笑う。

「ほんま。」

「美月らしい。」

健太も笑った。

「橘。」

「頭ん中サ界しかないやん(笑)。」

「うん。」

美月はあっさり認めた。

「今はそれが一番楽しみ。」

電話越しに笑い声が広がる。


その輪の中で、

美優だけは少し俯いていた。

(……。)

(美月は。)

(本当に。)

(サ界のことしか考えてない。)

ミスコン。

順位。

話題。

注目。

それらは美月にとって目的ではない。

友達との企画を成功させたい。

その思いだけで動いている。

その姿勢が、

美優にはまぶしく映る。

比較して苦しいというより、

「自分は何を目指しているんだろう」

という、新しい迷いが胸の中に生まれていた。

それでも今日は、

以前のように涙は流れなかった。

彩音がそっと美優の肩に手を置く。

真帆も何も言わず隣に座る。

電話の向こうでは、

美月が「じゃあまた明日ね」と穏やかに笑っていた。

その声を聞きながら、美優は小さく息を吐き、まだ答えは出ないままでも、少しずつ前へ進もうとしている自分を感じていた。

I「良いね。水曜朝は、理央は姫華が特に入り浸っている写真サークルへ。理央は最初から距離を取られている感じがした。ここは姫華の影響が強いサークルで、姫華はこの時間はいないが、いないけど存在感がある感じ。この場で美月の悪口が言われていて、あれは成績は不正だろ、とか裏の顔はひどそうだ (意訳) みたいな感じの会話がされていた。理央は、美月とは同じ学年だから、成績が凄いのは本物だと思う、という感じで食って掛かる。そして自分は美月に正々堂々成績でも勝ちたい、ということを伝える。その場はうわーきつい、みたいな感じで理央は敬遠されている感じ。理央はもしかして、姫華?となんとなく姫華がくさいと疑問に思い始める。

水曜の1現前に、葵らのグループに千佳から、あくまで噂だけど、2年前、今の3年が1年の代からそういうことをする人がいて、上位候補に対する根も葉もないうわさが流れていることを共有される。そして1限前に通学時間に美月が健太や美優、真帆、彩音らと合流して講義室に向かうとき (偶然外であった、美月のモーニングコールのおかげ)、バイクにのった怪しい男性が近くにいたので健太が怪しいと思って声をかけると、男性がうっとおしそうな表情をして去っていった。その後、その男性は姫華に邪魔された、みたいな感じの連絡を入れ、姫華は不機嫌そう。姫華は美月が1位にいるのが気に障るようで、なんであんな奴が1位なんだ、みたいな感じの態度。姫華の努力もむなしく、この時点の順位は美月1位、楓花2位、理央が更に順位を上げて6位へ、姫華は8位のまま、美優は票は伸びてはいるけど最下位のままだった。

ここで葵や健太らが姫華が臭いみたいな感じでおこったことでがやがやしていると、畠中、平野、原田らがにやにやしながら入ってきて、ここは俺らにまかせろ (意訳) とはいってくる。畠中らは、嫌がらせをしようとしている連中を暴いて晒してやると面白そうだと思っている。そして、美月や理央らがバチバチやるのを面白いとおもっていて、それを邪魔されるのは自分たちとしても面白くないから、そういう横やりは部外者 (彼らはミスコンとかにでないし、美月たちや理央たちと友達として一緒に行動したりしてないから、きづかれにくいというかそういう人らを調べやすいのでは、という意見) に任せろ、みたいな感じ。理央たちも、健太たちも、利害の一致的なところもあって、畠中らに頼ることに。美月は相変わらずそういうことは考えてないけど、何かあって企画ができなくなることだけは絶対に避けたい、という感じ。ここまでをもとにエピソードをつくって。

A

水曜日・早朝

写真サークル

朝。

まだ講義が始まる前。

九条理央は、一人で写真サークルの部室へ向かっていた。

今日はボランティアサークルではない。

白鳥姫華が最も影響力を持つ場所だった。


部室に入る。

「おはようございます。」

数人が顔を上げる。

「あ、おはよう。」

返事は返ってくる。

しかし──

どこか壁があった。

誰も理央に近寄ってこない。

会話も続かない。

理央は昨日までとの空気の違いを感じ取っていた。

(……距離を置かれてる。)

姫華本人はいない。

それなのに、

この空間には姫華の色が染みついているようだった。


奥のテーブル。

男子学生数人が雑談している。

「橘ってさ。」

「成績あれ本当に実力なん?」

「教授のお気に入りなんじゃね?」

「CMとかも裏ありそう。」

「表は真面目だけど裏ヤバそう。」

笑いながら話している。

根拠はない。

ただの噂話。


理央は振り向いた。

「違います。」

部室が静かになる。

「私は同じ薬学部一年です。」

「橘さんの成績は本物です。」

「授業も見てます。」

「努力も見てます。」

男子学生が苦笑する。

「いやいや。」

「九条さん敵でしょ?」

理央は首を振る。

「敵だからこそです。」

「勝つなら正々堂々勝ちたい。」

「根も葉もない噂で落として勝っても意味がありません。」

少し息が荒くなる。

「私は。」

「成績でも。」

「ミスコンでも。」

「橘さんに正面から勝ちたい。」

部室。

しばらく沈黙。

「……。」

「うわ。」

「重い。」

「ガチすぎ。」

「怖。」

そんな空気になってしまった。

理央は何も言わず部室を出る。


廊下を歩きながら、

小さく呟く。

「……。」

「もしかして。」

「白鳥先輩……?」

昨日からの違和感。

噂。

距離。

全部、

一人の人物につながり始めていた。


一方

一限前。

葵たちのグループ。

千佳が急ぎ足でやってきた。

「ちょっといい?」

四人が集まる。

千佳が声を潜めた。

「まだ噂レベルだけど。」

「二年前。」

「今の三年が一年だった頃から。」

「毎年。」

「上位候補に変な噂が流れるらしい。」

林が眉をひそめる。

「毎年?」

「うん。」

「誰が流してるかまでは分からない。」

「でも。」

「同じ人なんじゃないか。」

「って実行委員の先輩が言ってた。」

理央は黙る。

頭の中で、

写真サークルの空気が蘇る。


同じ頃

大学正門。

美月が歩いてくる。

健太。

彩音。

真帆。

美優。

ちょうど外で合流していた。

健太が笑う。

「今日もモーニングコール助かった。」

美月も笑う。

「全員間に合ってよかった。」

そんな他愛ない会話。


その時。

ブォン……

一台のバイク。

校門近くで止まる。

ヘルメット。

サングラス。

明らかに大学関係者ではない。

じっと、

美月たちを見ている。

健太が立ち止まった。

(……。)

(なんかおかしい。)

そのまま近付く。

「すみません。」

「何か御用ですか?」

男は露骨に面倒そうな顔をした。

舌打ち。

アクセル。

ブォン!

そのまま去っていく。

彩音がぽつり。

「何あれ。」

橋本はいないが、

健太だけでも十分警戒心は強かった。

美月は首を傾げる。

「知り合いじゃないかな。」

健太は首を振る。

「いや。」

「知らん。」

「なんか嫌な感じした。」


少し離れた場所。

バイクの男。

スマホ。

「邪魔された。」

返信。

姫華。

「使えない。」

「近付けただけでも良かったのに。」

さらに。

「なんであいつが一位なの。」

画面越しにも苛立ちが伝わる。


ミスコン順位

昼更新。

暫定順位。

1位 橘美月

2位 楓花

3位〜5位。

そして──

6位 九条理央

動画効果。

本人の地道な活動。

応援コメント。

少しずつ順位を伸ばしていた。


一方。

8位 白鳥姫華

動かない。

そして。

最下位 川崎美優

票は増えている。

しかし、

まだ最下位だった。


一限前・講義室

健太たち。

理央たち。

自然と集まる。

千佳が共有した話。

写真サークルの話。

健太が腕を組む。

「やっぱ臭いな。」

葵も頷く。

「白鳥先輩。」

「かなり怪しい。」

理央も静かに言う。

「私もそう思う。」

その時。

ガラッ。

講義室の扉。

畠中。

原田。

平野。

三人がニヤニヤしながら入ってくる。

「話聞いた。」

「なんか面白そうじゃん。」

健太が呆れる。

「お前ら絶対面白がってるやろ。」

原田は笑う。

「当たり前。」

「でも今回は利害一致。」

平野も頷く。

「俺ら。」

「美月と九条が真正面からやり合うの見たい。」

畠中が続ける。

「横から邪魔する奴は。」

「つまらん。」

「だから。」

「そういう奴ら暴いて晒す。」

健太が笑う。

「頼もしいのか最低なのか分からんな。」

原田。

「褒め言葉。」


平野が理央を見る。

「俺ら。」

「ミスコン関係ない。」

「友達グループでもない。」

「だから逆に動きやすい。」

畠中も続く。

「変な噂流してる奴。」

「そういうの探るの得意。」

理央は少し考え、

静かに頭を下げた。

「……お願いします。」

健太も頷く。

「頼む。」

利害は一致していた。

健全に勝負したい側。

そして、

その勝負を見るのを楽しみにしている側。

目的は違う。

しかし、

今回は同じ方向を向いていた。


その輪の少し外。

美月だけは、

話を半分くらいしか聞いていなかった。

「美月?」

健太が呼ぶ。

美月は振り向く。

「うん?」

「何考えてた?」

美月はいつもの調子で答える。

「サ界。」

「本番まであと少しだから。」

「誰が何位とかより。」

「ちゃんとライブできなくなる方が困る。」

その一言に、

皆は思わず笑った。

彩音が肩をすくめる。

「ほんま。」

「最後まで美月は美月やな。」

美月も少し笑う。

「だから。」

「嫌がらせとかは困るけど。」

「ライブだけは成功させたい。」

その言葉に健太も頷く。

「よし。」

「じゃあライブは俺らが守る。」

「裏は畠中ら。」

「表は俺ら。」

原田が親指を立てる。

「任せろ。」

こうして、水曜の朝は、思いがけず奇妙な共闘関係が生まれた。

一方では正々堂々と勝負したい理央。

もう一方では、勝負そのものを面白くしたい畠中たち。

そしてその中心には、順位や評判よりも「サ界」の成功だけを考えている美月が、いつも通り穏やかに立っていた。

次回:「白鳥姫華さんの気になるライバルは?」姫華のインタビューで「橘美月さんかわいい。」と煽る原田たち。

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